トップへ

「物価高×平日」で苦しい今年のクリスマス ファミマが仕掛けるコスパ・タイパ両立の施策

2024年11月08日 16:21  ITmedia ビジネスオンライン

ITmedia ビジネスオンライン

ファミリーマート、クリスマス商戦の説明会を開催(発表会にて編集部撮影、以下同)

 ファミリーマートは11月8日、クリスマス商戦の説明会を開催した。今年はケーキ、チキン、オードブル、すし、サンドイッチ、お酒など全68種類のメニューを用意。それぞれの予算や過ごし方に合わせて、商品を組み合わせる「アレンジクリスマス」を提案する。


【画像】ファミリーマートのクリスマス商品(全9枚)


 クリスマスケーキは、ファミリーマートオリジナルの「ミルフィーユ・シャンティ」「ショコラ・ミルフィーユ」(各4320円)に加え、「パティスリー ルージュ・ブランシュ監修ガトーブランシュ」(5号4700円)や「ケンズカフェ東京監修ショコラケーキ」(3700円)など、専門店が監修した商品を提供する。


 チキンは定番のファミチキと骨付きチキンをセットにした「3種チキンのパーティーセット」(12月20~25日は2760円、26日からは3030円)を用意。また、今年6月に価格はそのままで増量したクリスピーチキンとファミチキのセット(12月20~25日は1104円、26日からは1224円)など、各種セットをそろえた。


●過去イチ「物価高」なクリスマス


 同社の橋本剛氏(マーケティング本部 メディア&プロモーション改革推進部長)によると、今年のクリスマスのポイントは2つ。「物価高」と「平日」だ。


 長引く物価高騰により、今年は過去一番「物価高」なクリスマスが見込まれるという。同社が15~69歳の男女約3万人に調査したところ、67.6%が「昨年と比べて、今年のクリスマスで使う金額には物価高の影響がある」と回答した。


 また、今年は24日、25日ともに平日という、5年ぶりの「平日クリスマス」となる。そのため、クリスマス当日は「普段と変わらず過ごす」「自宅でクリスマスを過ごす」という回答が上位を占めた。


●「物価高」な平日クリスマス、どう対応する?


 ファミリーマートは、物価高に対してはコスパを意識した施策を打ち出す。クリスマスケーキはさまざまなニーズに対応するため、2000~4000円台まで幅広い価格帯を用意した。対象のケーキ5品を12月1日までに予約すれば、最大500円相当が割引になるキャンペーンも実施する。


 対象のチキンやオードブルは12月1日までにWeb予約すれば150円引きになる他、1品購入するごとに、対象の2リットル飲料1本の無料引換券も配布する。クリスマス商戦が本格化する12月20~25日は対象のチキン単品を2個買うごとに30円引きし、お手頃感を訴求する。


 平日クリスマスに対しては、タイパを意識した施策を打ち出す。自宅で過ごす人のうち、約6割は「近くの店で総菜やテークアウトを活用する」と回答。橋本氏は「『自分で作れないものを食べたい』『(平日のため)料理や準備するのが面倒』としながらも、クリスマスにおいしいものを食べたい意向が強い」と分析する。


 こうしたニーズに対応するため、銀座の人気イタリアンレストラン「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」監修の「サラダオードブル」や、サンドイッチとパリジャンサンドを盛り合わせた「クリスマスパーティーサンド」(いずれも2380円)、12個中2個にはわさびが約3グラム入った「ドキドキ手まり寿司」(1280円)など、パーティーメニューを用意した。橋本氏は「コスパ派、タイパ派などそれぞれの予算や過ごし方に合わせて、商品を組み合わせる『アレンジクリスマス』を提案する」と話す。


 物価高かつ平日と、例年に比べて厳しい状況の今年のクリスマス。売り上げに関しては、前年以上を目標としている。コスパ、タイパの両方を提案するファミリーマートのクリスマスは、消費者の支持を得られるか。