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「AirPods 4」をProユーザーが使ってみた 遜色ない音質とノイキャン性能、1日中付けっぱなしできる快適さに驚いた

2024年10月31日 16:11  ITmedia PC USER

ITmedia PC USER

第4世代となったオープンイヤーデザインのAirPods 4

 Appleは9月20日、無印AirPodsの第4世代となる「AirPods 4」を発売した。名称としては「AirPods 4」の1種類のみだが、通常モデルに加え、アクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載したモデルも用意されている。価格は通常モデルが2万1800円、ANC対応モデルが2万9800円だ。


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 かつては「耳からうどん」とやゆされたステムが伸びるそのスタイルも、すっかり見慣れたものとなり、もはやAirPodsを装着した姿に違和感を覚える人の方が少ない、あるいは皮肉な表現を耳にしなくなったと言ってもいいだろう。


 そんなワイヤレスイヤフォンの標準スタイルと言っていいほどに普及したAirPodsの最新モデルを試用する機会を得たので、早速紹介したいと思う。なお、試用したのはANC搭載モデルの方だ。


●耳にフィットしやすくなった「AirPods 4」


 AirPods 4はインナーイヤー型のイヤフォンだが、Appleではオープンイヤーデザインと称している。オープンイヤータイプはイヤーチップがなく圧迫感がない反面、耳の形状によっては落下しやすいというのが難点でもある。


 ただ、AirPods 4は、数千の耳の形と合計5000万以上のデータポイントを分析して設計されており、これまで以上に多くの人の耳にしっかりとフィットするとしている。


 ステムの側面には感圧センサーを備える。1回のピンチで再生/停止、長押しでSiriの起動など、操作自体は前モデルのAirPods 3から変更はない。なお、AirPods 4と同じく、H2チップを内蔵する「AirPods Pro(第2世代)」はタッチコントロールに対応しており、上下のスワイプで音量調整が行えたが、AirPods 4では残念ながら非対応だ。


 代わりと言っては何だが、Siriに対して「はい」ならうなずく、「いいえ」なら首を振ることで応答できるようになった。「音声で着信を知らせる」「通知の読み上げ」をオンにしておく必要があるが、これらの機能を多用しているなら便利かもしれない。


 充電ケースは一見変わったところはないが、体積は前世代から10%以上小さくなっている。ANC搭載モデルはQi(チー)規格のワイヤレス充電にも対応している。また、見た目での違いとしては、ANC搭載AirPods 4の充電ケースにはスピーカーが内蔵されている。


 とは言っても、ここから音楽を流せるというわけではなく、Appleの「探す」機能で音を出して充電ケースの場所を探すことができるというものだ。


●上位モデルのAirPods Proと比較して遜色ないANC機能


 今回のAirPods 4の最大の特徴であるANC機能も試してみた。ANCはオン/オフ以外に外部音取り込みもサポートする。また、周囲の環境に合わせて外部音取り込みとノイズキャンセリングをシームレスに調整してくれる適応型オーディオに対応している。適応型オーディオは、どの程度のノイズを許容するかを設定可能だ。


 この他、会話を検知するとオーディオの音量を自動的に下げる会話検知機能も搭載している。ノイズキャンセリングか適応型かに関係なく、会話を検知すると外部音取り込みモードになり、会話が終了すると元のモードに移行する。なお、ANCがオフの場合は、会話検知は動作しない(外部音取り込みモードにはならない)ようだ。


 ANCの効き具合だが、オープンイヤータイプとは思えないほど強力だ。耳栓のように外耳道に挿入しているわけではないので、ANCがオフだと外部音取り込みでなくとも周囲の音がよく聞こえる。にもかかわらず、ANCを有効にすると、エアコンなどの低音ノイズはほぼ完全に取り除いてくれる。強力なANCは閉塞感や圧迫感を感じることもあるが、そうした感じもない。


●開放感のあるクリアなサウンド


 肝心の音質だが、AirPodsシリーズらしい開放的で抜け感のあるクリアな音だ。また、インナーイヤー型は低音が弱めになりがちだが、AirPods 4はしっかりとした迫力のある低音を感じられる。


 イコライザーは、簡易的ながら「設定」→「〇〇のAirPods」→「アクセシビリティ」→「iPhoneのオーディオとビジュアル設定」→「ヘッドフォン調整」から、「バランスの取れたトーン」「音声の音域」「明るさ」の3つのプリセットから選ぶことが可能だ。「カスタムオーディオ設定」からは、より自分好みの音になるよう選択することもできる。


●カナル型が苦手な人は試してほしい1台


 同じH2チップを備えた3万9800円のAirPods Pro(第2世代)と、2万9800円のAirPods 4(ANC非搭載なら2万1800円)、どちらを選ぶかは正直なところ好みの問題だろう。筆者はAirPods Pro(第2世代)は利用したことがなく、AirPods Pro(第1世代)との比較になってしまうが、音質的には遜色がないと感じた。


 装着感に関しては、筆者としてはカナル型のAirPods Proより、インナーイヤー型のAirPods 4の報が装着感は好みだ。AirPods Proは長時間装着していると圧迫感が強くなり耳が疲れてくるが、AirPods 4なら1日中付けっぱなしでも問題はなさそうだ。


 AirPods Proには、今後ヒアリング補助機能の追加も予定されており、機能面で勝っているのは確かだ。ただ、カナル型ではなくインナーイヤー型の方が好みだという人は、AirPods 4を試してみるといいだろう。