Text by CINRA編集部
細野晴臣、田名網敬一、宇川直宏によるパルコ開業55周年特別企画『HAPPY HOLIDAYSキャンペーン』広告が公開された。
同広告では細野晴臣の音楽活動55周年を記念し、幼少期からはっぴいえんど、YMO、現在に至るまでの写真と、田名網敬一の象徴的なモチーフ、キャラクターを、宇川直宏がディレクションした「歴史的曼荼羅」。同企画は細野晴臣と、完成を前に逝去した田名網敬一にとって初のコラボレーションとなった。
さらにCMでは、宇川直宏をクリエイティブディレクターに迎え、生成AI技術によって写真に生命を吹き込まれた細野の55年の歴史が、田名網敬一のモチーフたちとともに動き出し、細野晴臣による書き下ろし楽曲とナレーションでホリデーシーズンを演出。
連動企画として、11月7日には渋谷PARCO 8階 WHITE CINE QUINTOで細野晴臣のドキュメンタリー映画の上映、細野晴臣、原田郁子のトークを行なうイベント『HOSONO CINEMA HOUSE』を開催。宇川直宏主宰の 「DOMMUNE」では11月9日に細野晴臣の特別番組が放送される。
【宇川直宏のコメント】
「途方もなくディープでサイケデリックで、そして清らかなカルチュラル曼荼羅!!!!」
PARCO55周年という記念すべきアニバーサリーにクリエイティヴディレクターとして参加させて頂き、身に余る光栄に存じます。今回のビジュアルは88歳のバースデーを迎えた直後急逝した、師匠である田名網敬一氏のアートワークと、奇跡的にもPARCOと同じ年にデビュー55周年を迎えた細野晴臣氏の歴史的変遷を視覚融合させたカルチュラル曼荼羅です。高度経済成長以降の日本のポップ・アヴァンギャルド文化を牽引し続けるPARCOのヒストリーが、この曼荼羅に流れる55年の時間と呼応し文化的真言が立ち現れる…このビジュアル世界は、そんな多元宇宙が錯綜した立体的な構造となっております。また手書きのアートワーク x CG、手付けのアニメーション x 生成AIという生身の身体と先鋭テクノロジーの両極を駆使し、他界した師とその作風を自分自身に憑依させ、弟子が作品を完遂させるという今世紀的なクリエイティヴの継承がこの曼荼羅には刻印されています。<55周年 x 55周年 x Holidays x Requiem>途方もなくディープでサイケデリックで、そして清らかなセレモニー領域に到達したこのビジュアル世界は、ファインアートとポップカルチャーがグニョグニョに混交した戦後日本のオルタナティヴの縮図でもあります!!!!!!! PARCO&細野晴臣さん55周年おめでとうございます!!!!!! そして田名網敬一師匠MASSIVE R.I.P.…(宇川直宏)
【南塚真史のコメント】
この企画は、宇川さんと田名網が生前から一緒に制作を進めてきました。クリエイティブにおいて絶対に妥協しない田名網が、唯一自分の作品の素材を預けて自由に任せたのが宇川さんです。残念ながら田名網は完成を見届ける事なく他界し、最期のプロジェクトの1つとなりましたが、日本のポップミュージックに変革をもたらした細野晴臣氏をモデルに、田名網敬一と宇川直弘の師弟関係の強度を示す最高傑作になったと思います。
【細野晴臣のコメント】
PARCO創業とぼくの音楽歴は同じ55年という奇遇です。
「幸せな休日」という祈りを込めて音楽をつくりました。