米Appleは10月30日(現地時間)、「MacBook Pro」をM4/ M4 Pro/ M4 Maxチップ搭載で刷新した。全てのモデルが16GB以上のメモリを搭載し、12MPセンターフレームカメラを備える。M4 ProモデルとM4 MaxモデルはThunderbolt 5に対応する。
ラインナップは変更なく、14インチと16インチの2サイズで、カラーはスペースブラックとシルバーである。10月31日から予約受付を開始し、11月8日発売予定。価格は、M4搭載14インチMacBook Proが248,800円から、M4 Pro搭載14インチMacBook Proは328,800円から、16インチMacBook Proは398,800円からとなっている。
新しいMacBook Proでは、14インチM4搭載モデルのベースメモリが16GBに増強された。M3シリーズ搭載MacBook Proは、14インチM3モデルのベースメモリが8GBだった。Apple Silicon世代のMacは高速なSSDを利用してシステム全体で高速に動作するため、少ないメモリでも一般的な使用では十分な性能を発揮するが、「Apple Intelligence」のような生成AIモデルを使用するワークロードではメモリへの要求が高まる。
M4シリーズは、TSMCの第2世代の3nmテクノロジーで製造されており、電力効率が優れたパフォーマンスを発揮する。「M4」は「10コアCPU(高性能コアx4、高効率コアx6)、10コアGPU」という構成で、M1比でCPU性能が最大1.8倍、GPU性能が最大2倍向上している。最大32GBのユニファイドメモリに対応し、メモリ帯域幅は120GB/sである。
「M4 Pro」は、「12コアCPU(高性能コアx8、高効率コアx4)、16コアGPU」、または「14コアCPU(高性能コア×10、高効率コア×4)、20コアGPU」を選択可能。最大64GBのユニファイドメモリに対応するが、MacBook Proでは最大48GBとなっている。メモリ帯域幅は273GB/s。M1 Pro比でCPU性能が最大1.9倍高速で、GPUI性能については「最新のAI対応のWindowsパソコン用チップより最大2.4倍速いグラフィックス性能を実現」とアピールしている。
新MacBook Proの「M4 Max」は、「14コアCPU(高性能コアx10、高効率コアx4)、32コアGPU」、または「16コアCPU(高性能コアx12、高効率コアx4)、40コアGPU」となっている。ユニファイドメモリは36GB/48GB/64GB/128GBが選択可能で、メモリ帯域幅は14コアCPU・32コアGPUが410GB/s、16コアCPU・40コアGPUが546GB/s。M1 Max比でCPU性能が最大2.2倍、GPU性能は最大1.9倍高速である。
全チップが16コアのNeural Engineを搭載し、英語(米国)で提供が始まった「Apple Intelligence」(ベータ)が快適に動作する。また、第2世代のハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングエンジンを搭載し、リアルで臨場感あるゲーム体験や滑らかな3Dレンダリングを実現する。
14インチモデルの標準ディスプレイは、14.2インチのLiquid Retina XDRディスプレイ(3024x1964、254ppi )である。16インチモデルは、16.2インチLiquid Retina XDRディスプレイ(3456x2234、254ppi)。XDR(Extreme Dynamic Range)は、屋外でSDRコンテンツを最大1,000ニトで表示できるようになり、HDRコンテンツは最大1,600ニトのピーク輝度で表示する。さらに、新しいNano-textureディスプレイのオプションが用意されている。ディスプレイの見やすさを維持しながら、明るい場所での映り込みや反射を最小限に抑える。
カメラは12MPセンターフレームカメラを搭載する。ビデオ通話でのミーティングでデスクとホワイトボードを行き来する際など、ユーザーが動き回ってもフレームの中心から外れないように調整する。
ポート類は、M4搭載モデルがThunderbolt 4(最大40Gb/s)ポート×3、M4 Pro/M4 Max搭載モデルがThunderbolt 5(最大120Gb/s)ポート×3である。SDXCカードスロット、HDMIポート、3.5mmヘッドフォンジャック、MagSafe 3ポートを装備し、ワイヤレスはWi-Fi 6E(802.11ax)とBluetooth 5.3に対応する。
Appleは2024年の年末商戦向けMac新製品を発表イベント形式ではなく、製品ごとに分けて発表している。イベント開催時と同じように、エグゼクティブや開発担当者が製品について説明するビデオを用意しており、新型MacBook Pro発表と同時に「MacBook Proの発表」をYouTubeで公開した。(Yoichi Yamashita)