女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「びっくり体験」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2018年10月7日 記事は取材時の状況)
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突然ですがあなたは免許を持っていますか? 筆者は持っていません。理由は電車で十分動ける地域に住んでいるのもありますが、お酒をよく飲むという理由があるからです。
今回紹介するのは、「飲むのが大好きなのに自動車免許を取ろうとして大失敗しました!」と話す沙織さん(仮名・28歳)です。
◆仕事を休み、沖縄での「免許合宿」に参加
「1年ほど前に自分の車で海に行ってみたいという理由で、車の免許を取りに行こうと思ったんです。初めは教習所も考えたんですが仕事が終わるのが遅くなかなか時間が取れないので、思い切って仕事を休んで免許合宿に行くことにしました」
免許合宿といえばそこそこ近場を選ぶイメージがありますが、沙織さんが選んだのはなんと沖縄でした。たしかに、リゾートも兼ねられて良さそうです。
「合宿で免許を取った友達に聞いたんですが、近場だと夏休みの高校生や大学生が多くて馴染めなそうだなと思ったんです。沖縄ならお金にも時間にも余裕がある同世代の人が多そう……と思って決めました。部屋は若いコと相部屋になったら気まずいので1人部屋を選び、料金は30万円でした」
さらに飛行機代と合宿先の生活費を合わせ、約50万円を用意した沙織さん。沙織さんの免許合宿が始まりました。
「免許学校へ着くと、すでにいる生徒達が挨拶をしに来てくれました。私の読み通り、みんな同世代でしたね。私のように普通免許を取りに来た人もいますが、中にはすでに普通免許を持っており、仕事のために大型免許を取りにきたという人も。
その人の話によるとすでに普通免許を持っている人には学校から無料で車を貸し出してくれるそうで、授業が休みの日曜日にはその車で海やバーベキューに行くと聞いて楽しみになりました。初日は仲良くなった子達に誘われて、近くの居酒屋で歓迎会をしてもらいベロベロになりましたね……」
翌日から、沙織さんも授業が始まりました。
「授業は午前中が筆記、午後から実技(運転)となっていました。だから、翌日までお酒が残ることを気にせず、夜は結構遅くまで飲めたんですよね。お酒は近くにある居酒屋かコンビニで大量に買い占めて、毎晩のように飲んでいました」
と、なんとも楽しい合宿生活を満喫していたようです。
「他にも歩いて行ける場所にビーチがあるので、そこで花火をしたり……と、とにかく毎晩飲みまくり! さらに部屋が個室ということもあり男子生徒をつい部屋に連れ込んだりしていたら……、気づいたら免許を取る前に合宿が終わっていたんです(泣)」
なんという衝撃の事態! 沙織さんに一体何があったのでしょうか?
「仮免試験の前日にみんなでカラオケに行って泡盛を飲みすぎちゃったんです……。泡盛なんて飲む機会がないので、加減が分からず気付いたらベロベロに。午前中の筆記試験には何とか間に合ったんですが2日酔いで全然頭が回らず、95点合格のところを90点しか取れずに不合格に!
合格者はその後に実技試験があるんですが、お酒が抜けてるか微妙だったのでいずれにせよ受けられませんでしたね。再試験を受けて合格したのはそれから1週間後で『やっと路上講習だ!』となったところで、当初の合宿期間である3週間が終わっていたんです(泣)」
合宿は延長もできるそうですが、沙織さんはしなかったそうです。その理由とは……?
「友人にこの話をしたところ、『運転は人の命を預かるものだから、沙織は取らない方がいいと思う』とキッパリ言われたんです。それを聞いて、自分は免許を取っちゃいけない人間なんだなーと自覚しましたね。結局、合宿は仮免だけを取って途中で切り上げました。
まだ1年経っていないから教習所に通えば取れるんですが、やっぱり飲む生活は変わらずなのでこのまま取らないと思います。合宿で50万円使い果たしちゃったけれど、楽しかったからまぁいいかなと思っています」
最近、度々耳にする自動車の飲酒事故ニュース。「自分はお酒が大好きすぎて運転してはいけない人間」と、沙織さんが自分で気付いたのは良かったかもしれませんね……。
<文/カワノアユミ イラスト/鈴木詩子>
【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。ツイッターアカウントは@ayumikawano