ネット通販サイトで購入した商品が欠品しているなどとして、「返金」を装って「送金」させる特殊詐欺の被害が急増しているとして警視庁が注意を呼びかけています。PayPayなどのコード決済サービスが悪用されているということです。
警視庁によりますと、詐欺の手口はこうです。
被害者が偽の通販サイトで通常よりも格安で販売されている商品を購入しますが、商品は届きません。すると、通販サイトの担当者を名乗る人物から「商品が欠品している。返金はPayPayで対応するのでLINEで連絡してほしい」とメールで連絡があり、LINEでのやりとりが始まります。
その後、担当者はLINEのビデオ通話で「返金手続きのため、言うとおりにスマホを操作してほしい」と伝え、LINEで送られたQRコードでPayPayの送金画面に誘導。
送金画面では「認証番号の『69999』を入力してください」などと指示され、被害者が認証番号を打ち込みますが、入力した数字は「送金額」。「返金」してもらうどころか、知らないうちに6万9999円を「送金」してしまいました。
さらに、担当者は「エラーで手続きできないのでネット口座で送金する。言うとおりに操作してほしい」と、今度はネット口座に誘導。返金コードを打ち込むよう指示された被害者は、7桁の番号を打ち込んでしまいました。
この番号も「送金額」だったため、被害者は知らないうちに相手の口座に7桁の金額を送金してしまったということです。
警視庁によりますと、この詐欺の手口は去年から確認されていて、今年1月から10月までの間に138件の被害があり、被害額は1億5000万円にのぼります。
被害に遭ったのは10代から70代と、高齢者だけではないということです。
警視庁は「PayPayなどの電子マネーで返金すること事態が怪しいので、詐欺だと疑ってほしい」などと注意を呼びかけています。