『いますぐ痩せ見え!! -5kgコーデ』(はちみつコミックエッセイ)は、「痩せていないからオシャレを楽しめない」と悩んでいる人に、「着痩せコーデ」のアイディアを提案するコミックエッセイです。
著者のおかだゆりさんは、柔道やレスリングに打ち込んできた元アスリート。体型に合う服がなくオシャレを楽しめない悩みがあり、中学生の頃から着痩せコーデの研究をしていたそう。現在はSNSや各メディア着痩せコーデのアイディアを発信し、“着痩せの神”とも呼ばれています。
◆「動きやすい服装」って意外と難しい
この記事では、本書から第11話「運動会コーデ」を紹介。おかださんのコーデ指南を受けて漫画も担当したきびのあやとらさんと、おかださんのお二人に、子どもの運動会など体を動かすシーンにピッタリなカジュアルコーデのコツについて聞きました。
◆運動会の季節!カジュアルコーデの着痩せのコツは?
――これから運動会の多い季節ですが、きびのさんは運動会コーデで失敗した経験はありますか?
きびのあやとら(以下、きびの):多少動きにくくても見た目がよければいいと思って、細身でキツキツの、半ケツが出るんじゃないかというようなデニムを履いて行ったことがありました。動きづらいし、子どもを追いかけて動いていると肉の段がバレるしで……。後日でき上がった運動会の写真を見るとそれがバッチリ映っていました。イベントごとって、結局は写真がすべてじゃないですか。自分ではバッチリだと思っていても、知らぬ間に撮られた写真に「めちゃめちゃ尻デカいやん」という姿が残ってしまうんです。
――運動会は写真を撮られる機会もあるのでオシャレをして行きたいですね。運動会におすすめの着痩せコーデのコツを教えてください。
おかだゆり(以下、おかだ):私は、SNSや雑誌などでよく見る「オシャレな人の運動会コーデ」が理解できないんです。シャツをタスキがけにして結ぶとか、本当にやっている人いるのかな、細いモデルさんがやっているからオシャレに見えるんじゃないかと思う人は多いのではないでしょうか。
私としては、できるだけお母さんたちが着やすくて、親子競技で走ったり、しゃがんでカメラを構えても肉の段が映らないようなコーディネートに落とし込んで紹介したいと思います。
運動会ではTシャツを着る人は多いと思うのですが、1枚で着ると体勢を変えたときに背中のお肉が気になりやすいです。そこで、おすすめなのが、最近注目されている「ダンボールニット生地」です。表面がツルッとしていて光沢があり、伸縮性もあります。こういう素材でできたベストをTシャツの上に1枚重ねてあげることで、奥行きが出て体のラインを拾いにくくなります。
◆シンプルなコーデは、重ね着がポイント
――Tシャツ1枚で何とかしようとしないで、重ね着を活用することが大切なんですね。
おかだ:シンプルなスタイルのときは、1枚で隠そうとすると丈が長いTシャツにするか、下半身をカバーできる太めのパンツを履くかなので、極端になりがちなんです。色展開や、服の組み合わせの自由度を増やすためには、羽織りものを活用するのもいいと思います。例えば、シアー素材のブルゾンなどを羽織るとムチムチ感が消えるし、腰に巻いたりして気になる部分をカバーするのに使えます。
――ボトムスの選び方はどうすればいいでしょうか。
おかだ:動きやすさ重視でピッタリしたパンツが履きたいのであれば、黒を選ぶといいと思います。白パンツは光と影の関係で、太もものムチッとしているところや、膝のたるみが映りやすいんです。黒だと、陰影ができにくいので足が比較的まっすぐに見えます。ふとした瞬間に写真を撮られても大丈夫だと思えるような、心の平穏を守れるアイテムを率先して選ぶことが大事だと思います。
――他にも、カジュアルスタイルのポイントはありますか?
おかだ:帽子やボディバッグ、靴などの小物を効果的に使うことで、スタイルアップができます。黒のパンツと黒のスニーカーを合わせて脚長効果を狙ったり、帽子やボディバッグを含めて黒で統一すれば縦長な印象になります。1つのアイテムに頼るのではなく、全体のトータルバランスを重視してほしいです。
◆服を買う前に、まずコレを買え!
――トータルバランスをチェックするためには、家を出る前に全身を鏡で見ることが大切なのでしょうか?
おかだ:帽子やバッグなどの小物を身に付けて全身のバランスを見るのは、必須だと思います。洗面台の鏡で上半身しか見ていなかったり、お腹の部分だけを見て「隠れてるからOK!」と思ってしまいがちです。それだと、外に出てお店のウィンドウに映る自分を見てげんなりすることになってしまいがち。できれば靴も履いた状態で家でチェックしておけば、そういう失敗は無くなると思います。
きびの:ゆりさんに初めてコーディネートしてもらったとき、最後に厚底サンダルを履かせてもらったら印象が大きく変わって感動したんです。自分では上半身をチェックしてはいたのですが、靴まで履いて鏡を見ることはありませんでした。
でも全体のバランスが大事なんだと分かったので、今では帽子も靴も全部身に付けた状態で鏡を見るようにしています。よく、玄関の靴箱に鏡が付いていることがあるので、あそこでチェックするといいんじゃないかと思います。
おかだ:細めのものや、立て掛け式の全身鏡なら2000円くらいで買えるので、それを玄関の近くに配置することから始めるといいと思います。あれこれ服を買う前に、まずは全身鏡を買ってください!
――最後に、体型が原因でオシャレに悩みを抱えている方にメッセージをお願いします。
きびの:私の友達にこの本が出ると言うと、「こっそり読むね」と言われることがあるんです。恐らく、「太ってるのに痩せられないから読む本」だと思われているのかもしれません。でも、今の自分が恥ずかしいから隠すために着痩せをするのではなくて、今の自分のまま堂々とオシャレを楽しむための本なんです。毎日服を着るのが楽しくなると毎日が確実にハッピーになります。ゆりさんのオシャレのアイディアがたくさん詰まっているので、ぜひ一度読んでみてほしいです。
おかだ:「着痩せ」というワードは、コンプレックス産業だと思われがちなんです。「オシャレしたいなら、痩せるほうが早いでしょ」と言ってくる人もいます。でも、体型に悩んでいる方がオシャレしたいと思って検索したときに、私の発信している情報につながりやすいワードだと思って使っています。この本には、すぐに試せるアイディアを載せているので、ぜひ活用してほしいです。
衣食住の中では、服は外に出ても自分にずっと付いてくるという意味で、その人そのものだといえると思います。だからこそ、「どうでもいい」という気持ちではなく、自分自身を表現したり、幸せにしたりするために服選びをしてほしいと思います。
<取材・文/都田ミツコ>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。