Text by CINRA編集部
白石和彌監督の映画『十一人の賊軍』の劇伴収録の様子を収めたメイキング映像が到着した。
『日本侠客伝』シリーズや『仁義なき戦い』シリーズを手がけた脚本家・笠原和夫が1964年に執筆したプロットをもとに、11月1日に公開される『十一人の賊軍』。戊辰戦争の最中、新発田藩で繰り広げられた事件・奥羽越列藩同盟軍=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた罪人たちが「決死隊」として砦を守る姿を描く。主演は山田孝之と仲野太賀。配給は東映。
メイキング映像は、4月にイタリア・ミラノのコンサートホール「オーディトリウム・ディ・ミラノ(Auditorium di Milano Fondazione Cariplo)」でミラノ交響楽団とともに行なわれた劇伴収録の模様を捉えたもの。音楽を担当した松隈ケンタ、白石監督らの姿が映し出されている。
白石監督はこの収録を「幸せな空間」と表現し、「松隈さんの音楽がすごく良くて、音楽が一日中耳で鳴っている感覚だった」とコメント。
【松隈ケンタのコメント】
ミュージシャンとしては海外レコーディング、しかもオーケストラでというのは一つの夢でもあるのでやっぱり楽しみで挑戦し甲斐がありました。その反面、イタリアでの収録についてはスタッフさん含め、未知の領域でもあったので、ドキドキしながら現地まで行きました。
収録前から音の厚みやスケール感など、日本とはまた違った迫力が出せるのではないかと期待し、この映画も世界に届けようという想いがあるので、世界クオリティを目指しました。
オーケストラの皆さんからは演奏前にストーリーを教えてほしいと言われました。その場でストーリーを教えると、その後の演奏がガラッと変わったり、ぴたりと揃ったりするんです。感受性、想像力、表現力が素晴らしい方々でしたし、まずは楽しんでやるというイタリアの気質のようなものを感じました。そして、「ジャポネーゼに負けないように!」という熱い気持ちもあったみたいなので、いいケミストリーが生まれたと思います!