勤務先で「あ、この会社もうつぶれるな…」と察した経験はあるだろうか。それを直観した現場に居合わせたという投稿が寄せられた。大分県の50代男性は、かつての勤務経験をこう語る。
「すでに傾きかけていた老舗旅館。銀行から役員が派遣されていて、銀行印は役員管理でした」
恐らく運転資金を融資しているメインバンクが経営の首根っこを押さえ、懸命に維持している状態だったのだろう。(文:篠原みつき)
「銀行からの役員が、『もう、ダメだね』と言ったことを覚えています」
当時、男性は総務担当の新人だったという。入社2年目、ゴールデンウイークの直前にそれは起きた。
「月末の支払を済ませたら、金庫内に現金が数万円。小口現金もわずか。そんな時、県外にいた社長の息子から着払いで宅配便が数個…やむを得ず、業者に数千円払った」
手持ちの現金がいつ尽きるかというギリギリ状態の中、社長の息子は会社のお金でのん気に買い物をしたのだ。数千円とはいえ、恐らく仕事には関係のない私物だったのだろう。この支払いのあと、
「銀行からの役員が、『もう、ダメだね』と言ったことを覚えています」
経営が危ないのに社長の息子がこれでは先はないと感じたのだろう。やがて老舗旅館は本当にダメになってしまった。
「そのあと、メインバンクの支援も打ち切られ、私も転職。さらにホテルの客室からのタバコの投げ捨てで、社長宅も併せて火事になり、そこは倒産しました」
と衝撃の結末を語った。会社がダメになるときは、雪崩のように一気に崩れてしまうものらしい。
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