新人だろうと何だろうと、残業した時間分の給料はしっかり支払われなければいけない。しかし、システムエンジニアとして働く30代後半の男性(宮城県/年収400万円)は、「新人だから…」といった言いがかりのような屁理屈で残業代を貰えなかった経験がある。新卒入社した2009年頃のことだった。
「3か月の研修を終えた後、配属されたのは絶賛大炎上中なプロジェクトでした」
その時は、研修を終えた直後の新人でも「夜遅くまで残業し、部署の皆23時以降に会社を出ることも頻繁にある環境」だったという。(文:篠原みつき)
3年頑張ったが、通常業務では残業代が全くもらえず…
当時、配属された部署であるプロジェクトに大きなトラブルが発生したのだろう、深夜まで困難な案件の対応に追われた。そんな中で「ひと月頑張った」というが。
「翌月に勤怠表を提出したところ、上司に呼び止められました。 曰く『君は新人なので、先輩の彼より君は仕事ができない。 先輩の彼の勤怠時間がこの規模なのだから、君はもっと少ない勤怠時間になるはずだ』とわけのわからない論を説明されました」
新人だから先輩より仕事が出来ないのは当然としても、勝手に勤務時間をカットされては到底納得できなかっただろう。しかし
「この理由に納得ができないなら別途話をしようと言われ、 新人の私はおとなしく受け入れざるを得ず、 結果、残業代を全くもらえませんでした」
と泣き寝入りをさせられてしまった。懸命に働いた新入社員に対して、あまりの仕打ちだ。労働法的にもアウトだろう。その後、その会社で3年頑張ったというが、会社側の卑劣なやり方は続いた。
「その間、残業代として認められてもらえたのは、 社員会の作業(最長2時間、年に3回のみ)であり、通常業務では全くもらえず。それに業を煮やし反抗した結果、仕事を与えられずに退職することになりました」
残念な結果とはなったが、それ以上いても適切な賃金が支払われたかどうかは不明だ。退職は正解だったと言えよう。
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