2024年10月22日 11:51 ITmedia NEWS
映画「ブレードランナー 2049」を制作した米Alcon Entertainmentは10月21日(現地時間)、米Teslaおよび同社のイーロン・マスクCEOを著作権侵害で提訴した。Teslaがロボタクシー「Cybercab」の発表イベントで、映像を違法に使ったとしている。イベントのために敷地を提供した米WARNER BROS. DISCOVERY(WBD)も提訴した。
Alconは、10日にWBDの敷地で開催されたイベントの一環として、「ブレードランナー 2049」の映像を使用したいという要請を拒否したところ、映像は使われなかったが、主役のライアン・ゴズリングに似た人物の画像を披露したと主張する。
問題となっている画像は、イベントの冒頭でマスク氏が「私はブレードランナーが大好きだけど、ああいう未来を望んでいるわけではない。彼(主役のライアン・ゴズリング)のダスターコートは欲しいけど」と紹介したものだ。
Alconは、この画像は映画の「最も象徴的な場面の1つ」を真似たものだとしている。
訴状には「マスク氏はAlconの許可拒否と明確な異議を個人的に知っていた。従って、マスク氏は、映画をイベントのプレゼンに組み込むことは不適切であると個人的に認識し、理解していたはずだ。それでもマスク氏はそれを実行した」とある。
AIツールを使ってほぼ同一の画像を作成することは「悪意のある意図的な策略」であり、イベントを「世界中の観客にとってより魅力的なものにし、Teslaの販売促進のために「ブレードランナー 2049」のブランドを不正に流用する」ものだとしている。
Alconは、映画の映像の使用許可を拒否した理由として、マスク氏の「非常に政治的で、気まぐれで、独断的な行動がときにヘイトスピーチに傾く」ことを挙げた。また、Alconが近日Amazonプライムで公開予定のシリーズ「ブレードランナー 2099」での提携について、他の自動車ブランドと交渉中であり、その交渉に影響させたくないとも述べた。
Alconは、「ブレードランナー2049」またはその保護可能な要素の、複製、表示、頒布、販売、販売の申出、またはそれらの目的のための派生著作物の作成を禁じる仮差止めおよび恒久的差止め命令と、関連するすべての記録および文書の押収、法定損害賠償などを求めている。
本稿執筆現在、Tesla、マスク氏、WBDからはこの件に関するコメントは出ていない。