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映画『ダリオ・アルジェント 動物3部作』に小島秀夫、吉本ばなならがコメント。場面写真到着

2024年10月21日 19:10  CINRA.NET

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Text by CINRA編集部

映画『ダリオ・アルジェント 動物3部作』の場面写真、著名人コメントが到着した。

『サスペリアPART2』『サスペリア』『インフェルノ』『フェノミナ』などの作品で知られるダリオ・アルジェント監督。11月8日から公開される『ダリオ・アルジェント 動物3部作』は、初期代表作『歓びの毒牙』『わたしは目撃者』『4匹の蝿』で構成されている。

1969年の『歓びの毒牙』は主人公が目撃した「事件」を回想する構造を用いて観客が真相に迫るスリルを追体験するという監督デビュー作。1970年の『わたしは目撃者』は盲目の元新聞記者が主役の本格サスペンスで「視覚の喪失」を映像化した作品。1971年の『4匹の蝿』は現実の世界と悪夢の融合というアルジェント監督の作風を確立した作品とされる。

©TITANUS Licensed by RAI Com S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.

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©1971 SEDA SPETTACOLI ALL RIGHTS RESEVED. ©SURF FILM SrI ALL RIGHTS RESERVED.

【吉本ばななのコメント】
アルジェント監督の映画に心底魅せられた人たちは、幼い頃に「孤独」というものを知った人たちだと思う。そんな人はみな思う。
「この映画は私の心の中を映している。そこには常に根源的な恐怖があった」
長くアルジェント監督の映画を観てきた私もまた、そういうひとりである。
彼の映画でしか満たされない視覚の感動がある。現実では矛盾しているかもしれないけれど、悪夢の世界では当然の映像の流れがある。
そしてそれらはなぜか私を癒してくれるのだ。

【平山夢明のコメント】
ダリオ! あんたはどうしていつもこうなんだ!と叫ぶ自分ですら既に愛おしい。
人を獣の論理で描き尽くす鬼才。あなたの頭蓋になぜ? どうして? どうやって? の蜘蛛の巣が張り巡らされたら彼の勝ちだ!

【小島秀夫のコメント】
なんとアルジェントの初期作品である「動物3部作」が一挙劇場公開される!
『歓びの毒牙』(1969)『わたしは目撃者』(1970)『4匹の蝿』(1971)を順に観ていくと、アルジェントがジャッロ映画の監督として頭角を現していくだけではなく、これまでにない“ビジュアリスト”して熟成していく様を目撃することになる。
そして、何よりも、これらはあの傑作『サスペリア PART2』へと繋がる“習作”でもあることだ。
この3部作を担当するモリコーネの音楽も、ゴブリン採用へと繋がる“エチュード”でもあるのだ。

【高橋ヨシキのコメント】
『歓びの毒牙』の洒脱、『わたしは目撃者』の愛嬌、そして『4匹の蝿』の鋭利さ……。
みずみずしく鮮やかな「動物3部作」に常に感動させられるのは、とてつもない才能の誕生を目撃できる歓びに満ちているからだ。

【伊東美和のコメント】
アルジェントが“イタリアのヒッチコック”と呼ばれた頃の初期3部作だが、あらためて見直すと、どこをどう切ってもアルジェント。
本人が語るように、彼の描く殺人は「純粋に美的」なものであり、常に「死者の祝祭」として演出されているのだ。

【人間食べ食べカエルのコメント】
アルジェント初期3部作を一気見して、現代の作品と比べても全く遜色のない、いやむしろ近年の表現のまだ先をいく、スタイリッシュで構図の極まった映像の数々に衝撃を受けた。
『歓びの毒牙』の画廊を始め、鮮烈な画でブッ飛び気味の話をグイグイ力づくで引っ張っていく唯一無二の面白さ!! これをスクリーンで体験できるなんて……!
リバイバルブームがこれからも続いて、こういった作品が次々と再び日の目を見ることを願う。

【山崎圭司のコメント】
伝説は一日にして成らず。
暗い鏡に映る心の深淵に、恐怖の真髄を探る若きアルジェントのめくるめく魂の旅の出発点。
歴史的傑作『サスペリアPART2』へ向かって、青い果実が妖しく色づいてゆく歓びの「あなたは目撃者」となる。

【野村雅夫のコメント】
往年のファンはもちろんですが、アルジェントのことを知らなかったような若者など、ご新規さんのことも考えつつ、美しく蘇った映像に合わせ、字幕を刷新しました。
どうぞ、ホラーだと身構えず。初期のミステリー要素強めのゾクゾク感は、アルジェント入門に最適ですよ。