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サッカーJ1町田ゼルビア、選手だけでなく「クラブ」に対する中傷にも法的措置 どんな投稿が問題になる?

2024年10月21日 11:50  弁護士ドットコム

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サッカーJ1のFC町田ゼルビアは10月中旬、SNS上でクラブや所属選手に対して誹謗中傷した相手を刑事告訴した。個人だけでなく、クラブに対する誹謗中傷も罪に問いたい考えだ。団体に対する中傷は法的に問題となるのだろうか。


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●「存在が粗大ごみ」「犯罪者みたいな顔」

藤田晋CEOは10月15日のリリースで、法的措置に踏み込んだ決意を表明した。



「昨年来、クラブの好調な成績と比例するように、無数の誹謗中傷を浴びており、それはもう酷いものでしたが(中略)、もう限界です。既に多大な実害、実損が出ており、これ以上はもう看過しないことを決意しました」(リリースから)



毎日新聞によると、町田ゼルビアは、名誉毀損と信用毀損容疑の告訴状を東京地検に提出したという。



クラブの顧問をつとめる加藤博太郎弁護士は、選手やスタッフに対して「町田ゼルビアを応援している人間は頭おかしい」「存在が粗大ごみ」「犯罪者みたいな顔」などの投稿が相次いだとして、一部の書き込みについて投稿者を特定して告訴したとしている。



特定の個人に対する誹謗中傷だけでなく「弊クラブに向けて誹謗中傷した者を対象に、刑事告訴をする」と明言している。団体に対する誹謗中傷も法的に問題となるのだろうか。インターネットの問題にくわしい中澤佑一弁護士に聞いた。



●特定の人物に「犯罪者顔」と投稿→民事・刑事で「侮辱」成立も

——選手やスタッフ、監督、クラブに対して「町田ゼルビアを応援している人間は頭おかしい」「存在が粗大ごみ」「犯罪者みたいな顔」などとSNSで投稿することには、どんな法的問題がありますか



特定の人物に対しての発言であれば、民事上の名誉感情侵害(不法行為)、刑事上の侮辱罪が成立する可能性はあると思います。



抽象的に「このチームを応援している人は~~~」といった言い方の場合、ファン全体に対する誹謗中傷だとは思いますが、法的な違法性はないでしょう。



——今回、クラブに対する誹謗中傷についても「信用毀損罪」で刑事告訴したようです。どのような投稿であれば「信用毀損罪」が成立すると考えられるでしょうか



まず、「町田ゼルビア」というチーム自体が被害者であるという構成に注目が集まっています。チームに向けられた投稿であっても団体にも法律上保護される名誉等はあります。



なお、今回の「町田ゼルビア」の場合は、法人格のある株式会社ゼルビアが運営主体となっており、この株式会社ゼルビアが権利行使をしてゆくのだろうと思われます。



信用毀損罪は、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の信用を毀損した場合に成立します。今回のようなケースでは、真実に反する誹謗中傷がその対象になるはずです。



リリースの情報などをみても、実際にどのような悪口が対象となっているのかはわかりません。



ただ、サッカーチームに対する悪口として信用毀損罪になりそうなものを考えると、たとえば反社会的勢力との関係を匂わせる趣旨で「ヤクザ」と述べたり、「チーム〇〇は、相手チームから金をもらって八百長をしている」などと虚偽の事実をでっち上げる場合などがあると思います。




【取材協力弁護士】
中澤 佑一(なかざわ・ゆういち)弁護士
発信者情報開示請求や削除請求などインターネット上で発生する権利侵害への対処を多く取り扱う。2013年に『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(中央経済社)』を出版。弁護士業務の傍らGoogleなどの資格証明書の取得代行を行う「海外法人登記取得代行センター Online」<https://touki.world/web-shop/>も運営。
事務所名:弁護士法人戸田総合法律事務所
事務所URL:https://todasogo.jp/