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STANLEY山本尚貴「切り替えてGTに集中しています」ホンダ・シビック勢とオートポリス戦の展望

2024年10月18日 18:50  AUTOSPORT web

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2024年スーパーGT第7戦オートポリス搬入日に元気な姿を見せたSTANLEY CIVIC TYPE R-GTの山本尚貴
 第5戦鈴鹿の延期によって、例年の倍のサクセスウエイトを搭載して行われるスーパーGT第7戦オートポリス。GT500の戦いは不確定要素が多くてなかなか展開を予想するのが難しいが、ひとつ焦点となるのが昨年までNSX-GTでこのオートポリスを得意としていたホンダ陣営が、今季のニューマシン、シビック・タイプR-GTでも同様のパフォーマンスを発揮できるのかと言う点だ。

⚫︎100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT山本尚貴「展開的にはちょっと厳しい」

 まずはシビック・タイプR-GTの開発を担当していた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTの山本尚貴に聞く。山本は先週末のスーパーフォーミュラ(SF)第7戦富士の決勝で前の車両のトラブルに巻き込まれてクラッシュしてしまったが、まずは自身の体調はどのような状況なのか。

「いやもう、終わったことですので。クラッシュ直後はルールとして動かない方がいいので動かなかっただけで、体は大丈夫です。SFは残念な終わり方でしたけど体もチェックをしてもらって大丈夫ですので、切り替えて今週末のGTに集中しています」と山本。

 早速、シビック・タイプR-GTとオートポリスの相性の予想について聞く。

「オートポリスはシビックで初めて走るので、まずはそこからになります。去年までのNSXはドラッグも大きかった分、ダウンフォースもあってこのオートポリスでは予選の一発のタイムは出しやすかった。今年のシビックは直線でライバルたちと近いところでは走れるようになりましたけど、ダウンフォースとしては昨年よりも落ちたように感じているので、展開的にはちょっと厳しいのではないかなと思っています」と今週末の戦いを推測する。

 100号車STANLEYはランキングでは3位、サクセスウエイトもかなり厳しい状態でオートポリス戦を迎えることになる。

「最低でもランキングで上位にいるクルマの前には行きたいですし、このレースで何位を目指すという明確な目標よりも、最終戦でチャンピオンを獲れる位置にいられるようにしたいというのが一番です。仮に今回のオートポリスでコケてしまったとしても、その後のもてぎ、鈴鹿で逆転できるようないい流れは作りたいですね」と山本。

 山本としては、サクセスウエイトが100号車よりも軽い他のホンダ陣営と共に上位を固めることによって、ライバル陣営のポイント獲得を防ぎたいところだ。


⚫︎64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT伊沢拓也「本当に走ってみないとわからない」

 ホンダ陣営でここ数戦、予選・決勝ともに上位陣を驚かすパフォーマンスを見せているのが唯一ダンロップタイヤを装着する64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTだ。チームの精神的支柱でもある伊沢拓也に聞く。

「そんなに言われるほど上り調子ではないです。毎年、ダンロップとしてオートポリスではテストをしていますけど、ここは一番心配なサーキットでもあります。タイヤメーカーに関わらず、摩耗もピックアップも一番辛いサーキットで、特にタイヤの摩耗はいつもぎりぎりなのでわからない部分が多い。今年で言うと、富士のような自信はないですし、本当に走ってみないとわからないです」と伊沢。

 前戦の第6戦SUGOでは雨で6番手グリッドからスタートして、決勝でも一時4番手まで順位を上げるパフォーマンスを見せた。今回のオートポリスでも予選日は雨模様で、ダンロップと64号車にとってはチャンスとなるかもしれない。

「雨はうちのウエットタイヤのトレッドパターンを見てもわかるように、雨量が多ければウチより辛くなるチームは多いでしょうね。逆にダンプコンディションとかだと、明らかに他のメーカーのタイヤがそれを見越したパターンですからね」と、控えめな伊沢。その雨量次第では一躍本命候補となる可能性もある。

⚫︎8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT佐藤蓮「ここで優勝して次につなげたい」

 また、ホンダ・シビック陣営でサクセスウエイト(SW)で考えるならば、ブリヂストン(BS)勢で最軽量となるSW32kgの16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが今回の主役となる。16号車ARTAの佐藤蓮が話す。

「去年の16号車はオートポリスでポールポジションも獲っていますし、クルマはシビックに代わっていますけど、相性はいいと思っています。重量(SW)もBS勢では最軽量なので、なんとかここで優勝して次につなげたいなとは思っています」と佐藤。

「雨自体はそんなに苦手としているわけではないのですけど、前回のSUGOではその時の雨量とかタイミングの勝負になってしまうと、実力以外の部分で決まってしまうこともあるので、雨であっても、予選がしっかりできるコンディションであればいいなと思っています。サクセスウエイトの恩恵を考えると、予選も決勝もドライで走れるといいなと思っています」と、ドライを希望する。

 予選日の雨予報に、例年の倍のサクセスウエイト、そして新車両での初めてのオートポリスなどGT500の今週末は、とにかく注目点が多い戦いになりそうだ。