2024年10月18日 11:54 日刊スポーツ
パリオリンピック(五輪)で女子バスケットボール日本代表を率いた同代表前監督の恩塚亨氏(45)が、指揮官時代の苦悩を明かした。
18日、都内で行われたイベントに出席。「女の子のためにスポーツを変えるウイーク」として、女子スポーツの未来を議論するトークセッションを行った。女性アスリートの指導にまつわる苦労について問われると、「選手から『恩塚さんは女子の気持ちが分かっていない』と何度も言われたことがある」と告白。「(それまでは)気遣いというよりも顔色をうかがっていた部分があった」と明かし、頭をかいた。
選手からの言葉がきっかけで、女子校で約40年間の指導歴がある教員や女子チームを率いる男性リーダーに話を聞きに行くこともあったという。しかし、結局答えは「わからなかった」とし、「人の気持ちは天気みたいなもので、いい時もあれば悪い時もある。目の前の人が今どういう気持ちかを見極めて接することが大切だった」とした。
機会の欠如や女性コーチの少なさ、ジェンダーイメージなどの要因で、女子のスポーツ離れが問題になっている現状もある。「スポーツを突き詰めてやっていると、どうしてもあるべき姿を追いがちになる。それで女の子の可能性をつんでしまうのはもったいないので気を付けていかないといけない」と、言葉に力を込めた。
恩塚氏はパリ五輪後に、任期満了で日本代表監督を退任。今月4日に東京医療保健大の女子バスケ部監督に復帰した。