労災隠しは言うまでもなく犯罪だ。誰しもそんな会社で働きたくないだろう。岐阜県に住む50代男性は、10年ほど前に働いた会社でのエピソードを語った。その会社は「工具とか機械とかを扱う会社で、たまに出張修理もしていた」という。ある日、出張先で労災が起きてしまった。
「社員のおじいちゃんが怪我をした」
一刻も早く病院へ行くほうがいいだろう。ところが……(文:真鍋リイサ)
「指はまだ痛々しそうで、うまく動いていなかった」
怪我をしたにもかかわらず、高齢の社員はタオルで押さえて作業を続けたそう。だが、
「客にバレて、修理はもちろん完了せずに帰って病院に行った」
という。結果、「何針も縫った」ほどの怪我であったようだ。仕事を中断して病院へ行ったのは良かったのだが、問題はその後の対処だった。
「おじいちゃんはなんだかんだで社長に言いくるめられて労災の申請をしなかった」
本来ならあってはならないことだが、労災が発生すると行政指導や行政処分を受ける可能性があるため、労災の申請を嫌がる会社も存在するようだ。
「その会社辞める時おじいちゃんの指はまだ痛々しそうで、うまく動いていなかった」
この件が直接の退職理由になったかわからないが、影響したことは間違いなさそうだ。
※キャリコネニュースでは「ブラックな職場エピソード」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/20I4XRP8