映画『敵』より、長塚京三演じる主人公・儀助の真面目な表情と恍惚(こうこつ)とした表情が混在するポスタービジュアルと、“敵”の正体に迫る予告映像が解禁された。
【動画】長塚京三主演『敵』、“敵”の正体に迫る予告映像
本作は、筒井康隆の同名小説を吉田大八監督が映画化。
12年ぶりの映画主演となる長塚京三は元大学教授・渡辺儀助を演じ、人生の最期に向かって生きる人間の恐怖と喜び、おかしみを同時に表現する。清楚(せいそ)にして妖艶な魅力をもつ大学の教え子には瀧内公美。亡くなってなお儀助の心を支配する妻役には黒沢あすか。バーで出会い儀助をほんろうする謎めいた大学生には河合優実。そのほか松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩ら実力派俳優陣が脇を固める。
原作者の筒井は「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた」と本作を絶賛。吉田監督は「自分自身、この先こういう映画は二度とつくれないと確信できるような映画になりました」と自身の新境地を見せる。また本作は、第37回東京国際映画祭コンペティション部門の正式出品が決定し、同映画祭でワールドプレミア上映を迎える。さらに、11月に行われる台北金馬映画祭の「Windows On Asia部門」にも選出され、吉田監督の参加が決定している。
モノクロのポスタービジュアルでは、長塚演じる元大学教授の儀助が、整然とした家の中でたたずんでいる。真剣な表情と恍惚とした表情をみせる儀助の姿が重なっており、「私 そんな先生が みたかったんです」というコピーが添えられている。
劇中では、亡くなった妻・信子(黒沢)や大学の教え子の鷹司靖子(瀧内)、バーで出会う謎めいた大学生・菅井歩美(河合)が登場するが、果たしてこのコピーは誰による言葉なのか、またその意味とは―。
予告編では、妻に先立たれて20年間、ひとり余生を過ごす儀助の様子が映し出される。自ら米をとぎ、魚を焼き、食事する。掃除をして買い出しに行き、自由で堅実な生活を送りながら「残高に見合わない長生きは悲惨だから」と話し、自ら定めたXデー(来たるべき日)に向けて淡々と人生を生きる。そんな儀助のもとに、ある日突然、“敵”が訪れる。不穏な音楽と共に映し出される、儀助の周囲の人々や亡くなったはずの妻・信子、そして皆が口々に言う“敵”。逃げ惑う儀助、そして繰り広げられる激しい銃撃戦。果たして、穏やかな日常や現実を脅かす“敵”とは―。
また、ムビチケ前売券(オンライン)の発売も10月25日に決定。発売日以降、公式サイトより購入できる。
映画『敵』は、2025年1月17日より全国公開。