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ブレンボがサスペンション大手オーリンズを買収。約604億円と同社史上最大規模の買収金額

2024年10月16日 14:30  AUTOSPORT web

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2024年MotoGP全ライダーに供給されているブレンボのブレーキングシステム
 高性能ブレーキシステムおよびコンポーネントの設計・開発・生産を行うブレンボは、アポロ・グローバル・マネジメント関連運営ファンドのポートフォリオ会社であるテネコと契約を締結し、大手高性能サスペンションメーカー『オーリンズ・レーシング』の株式を100%取得、買収することを10月11日に発表した。

 ブレンボは、1961年にイタリアで創業して以来、乗用車やバイクを手掛ける各メーカーへブレーキシステムを提供し続け、モータースポーツの世界選手権では600以上のタイトルを獲得した。一方のオーリンズは45年以上モータースポーツや二輪、四輪車産業で重要な役割を担い、F1をはじめとする各地域のレースイベントに至るまで、サスペンションなどを提供している。

 買収について「両社の相性は抜群なんだ。オーリンズは世界的に知られるブランドとして堅実な事業を展開し、レーストラックでも公道でも、他社と一線を画す名声を得ているからね」と語るのは、ブレンボの取締役会長を務めるマッテオ・ティラボスキ。

「今回の契約はブレンボの自動車市場向けラインナップを拡大させる有意義な機会であり、ブレンボグループにオーリンズが加わることを歓迎する。これを契機に、お客様に総合インテリジェントソリューションを提供するブレンボの戦略がまた一歩前進し、二輪・四輪車分野の重要技術全体でシナジーを活かすことができるだろう」

 オーリンズ・レーシング最高経営責任者のトム・ヴィッテンシュレーガーCEOは「ブレンボと力を合わせることによって、オーリンズは新しい成長機会を創出し、個々の強みとアセットを活かし、イノベーションを前進させ、お客様と従業員に一層大きな価値を提供できるものと期待している」と述べた。

 そして、OEMおよびアフターマーケット顧客向けに自動車部品の設計、製造、販売を手掛けるテネコ社のジム・ヴォスCEOは「オーリンズが次の段階に進化を遂げるうえで、ブレンボは間違いなく最適なパートナーだ」とコメントしている。

「今回の契約によって、オーリンズはブレンボのリーダーシップの下で組織と従業員が市場で成功し続けるための立ち位置を確保し、テネコは事業ポートフォリオを合理化し、バランスシートを強化する戦略が下支えされ、長期的ビジョンを実行に移すことが可能となる」

 ブレンボによると、今回のオーリンズ買収案件は『ブレンボ史上最大規模』とのことで、その買収金額は4億500万USドル(現在の日本円で約604億円)となる。支払いは手持ち資金で行われ、買収は規制当局の承認を得ながら、2025年初めの契約完了を見通しているという。