一口に「IT系」と言っても仕事の内容は多岐にわたる。エンジニアとして就職しても自分が専門とする領域の仕事を任せてもらえないこともあるらしい。
大企業で管理の仕事をしている東京都の30代男性(機械・電気・電子・半導体・制御/年収950万円)は、
「肩書きはエンジニアだが、やってることはほぼ社内の調整。技術的なことは外注さんにやってもらうのみで自分が何者なのかわからなくなる」
と、不満をこぼす。せっかく社内にエンジニアがいるにもかかわらず、外注するのはもったいないというほかない。(文:林加奈)
「マニュアル通り」が嫌で3日で離脱した男性も
岐阜県の30代男性(システム開発・SE・インフラ/年収550万円)は、「新卒の頃からずっとSESシステムエンジニアをやっていて、基本的に設計よりも上位の要件定義や基本構想、管理がメイン」だというが、会社で任された仕事はこれとは異なるものだった。
「一度だけマニュアル通りにシステムを操作するだけの運用に回されました。頭を使わない単純作業は私には合わなかった。開始3日目で同じことの繰り返しに耐えられず、精神的に落ち込んで契約終了を待たずに離脱しました」
と、わずか3日で辞めたことを明かす。そして
「答えのない非定型業務がメインなので楽しいですが、意見を挟む余地のない定型業務は二度とやりたくありません」
と、今の仕事には満足しているようだ。