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【卓球】張本智和「刺激になるときもあれば、プレッシャーにも」妹美和の存在結果につなげる

2024年10月16日 05:01  日刊スポーツ

日刊スポーツ

卓球アジア選手権男子シングルスで50年ぶり金メダルを獲得した張本智(撮影・飯岡大暉)

張本きょうだいが“50年ぶり”金メダル獲得で凱旋(がいせん)帰国した。


卓球アジア選手権の選手団は15日、開催地のカザフスタンから羽田空港に到着。兄の張本智和(21=智和企画)は、シングルスで日本男子として74年横浜大会以来の頂点に立った。妹の美和(16=木下グループ)も、女子団体で中国が出場した大会では50年ぶりの優勝。シングルスとダブルスでも準優勝した。


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張本智和は快挙にも淡々としていた。日本人が男子シングルスでアジアの頂点に立ったのは、74年横浜大会の長谷川信彦以来。「そこまで実感はない。1試合1試合頑張った結果が優勝につながった」と冷静に振り返った。


美和の存在を力に変えた。パリ五輪では妹が団体銀メダルを獲得した一方、自身はメダルなし。「活躍が刺激になるときもあれば、プレッシャーになるときもある」。そう吐露したが、今大会は好結果につなげた。先に妹が決勝に進出。「同じ結果まで行きたい」と準決勝で勝った。しかし、妹は敗戦し準優勝。「負けたなら僕が取り返すしかない。他の選手ならこういうモチベーションにならない」と奮起した。決勝では世界ランク3位の林詩棟(中国)と対戦し、3-1で強敵を破った。


これまで何度も阻まれた中国選手の分厚い壁。「しっかり実力者に勝って取った金メダル。すごくうれしい」と喜んだ。ただ、早くも次の目標に切り替えた。「1回優勝したぐらいで王者とは全く思わない。上には強いライバルたちがたくさんいる」と油断はない。12月に福岡・北九州で行われるWTTファイナルを見据え「今年の集大成。優勝は簡単にできると思わないけど、今回みたいな試合をしたい」と誓った。【飯岡大暉】