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ラズガットリオグルが2勝を挙げ、ポイント差46でタイトル獲得がかかる最終戦へ/SBK第11戦エストリル

2024年10月14日 09:20  AUTOSPORT web

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エストリルのレース1、レース2で優勝したラズガットリオグル
 スーパーバイク世界選手権(SBK)第11戦エストリルラウンドが、エストリル・サーキットで行われ、レース1、レース2でトプラク・ラズガットリオグル(ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が、スーパーポール・レースではニッコロ・ブレガ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が優勝した。ラズガットリオグルはチャンピオンシップにおけるリードを46ポイント差として、最終戦を迎える。

 スーパーポールはウエットコンディションで行われ、トプラク・ラズガットリオグル(ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)がポールポジションを獲得した。2番グリッドはダニロ・ペトルッチ(バーニー・スパーク・レーシングチーム)、3番グリッドはジョナサン・レイ(パタ・プロメテオン・ヤマハ)となった。

 チャンピオンシップのランキングトップであるラズガットリオグルと39ポイント差のランキング2番手につけるニッコロ・ブレガ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)は、5番グリッド。アルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)は11番グリッドからのスタートとなった。

 レース1は気温21度、路面温度29度のドライコンディションで行われた。1周目にトップに立ったのはペトルッチ。2番手に4番グリッドスタートのアンドレア・ロカテッリ(パタ・プロメテオン・ヤマハ)、3番手にラズガットリオグル、4番手にレイというオーダーとなる。ブレガは5番手、バウティスタは6番手という状況である。

 2周目にはロカテッリがペトルッチをかわしてトップに浮上した。ラズガットリオグルも2番手に浮上し、ロカテッリを追う。ラズガットリオグルは5周目のメインストレートでロカテッリを抜き去り、トップに立った。

 このときブレガは7番手に後退していたが、ファステストラップをたたき出し、前を走るレイとペトルッチを追う。7周目、ブレガがペトルッチとレイをかわし、4番手に浮上する。ブレガにかわされたペトルッチは、その後、転倒を喫してリタイアとなった。

 その前方では、バウティスタがロカテッリをかわして2番手にポジションを上げた。ラズガットリオグルはトップを快走し、8周目を終えて2番手のバウティスタに対し、差を0.8秒に広げた。ラズガットリオグルはその後もバウティスタとのギャップを築いていく。

 4番手のブレガは、好ペースでロカテッリに迫った。11周目、ロカテッリをとらえ、3番手に浮上した。さらに、前を走っていたバウティスタが9コーナーで転倒。ブレガは2番手に浮上した。ただ、すでにラズガットリオグルとの差は3秒以上に開いていた。

 3番手を走っていたロカテッリだが、15周目に7コーナーで転倒を喫した。トップはラズガットリオグル、2番手がブレガは変わらず、3番手にイケル・レクオーナ(チームHRC)が浮上する。

 ラズガットリオグルは独走で優勝を飾った。2位はブレガが入った。3位はレクオーナで、2022年オランダラウンド レース2以来の表彰台を獲得した。

 4位はアレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)、5位はレイ。レース中盤に転倒を喫したバウティスタは、ピットに戻って再びコースインし、19位だった。

■レース2:ラズガットリオグルが独走優勝
 日曜日のスーパーポール・レースは、最終ラップのフィニッシュラインまで接戦の優勝争いが展開された。最終コーナーを先行して立ち上がったのはラズガットリオグルだったが、フィニッシュライン直前でブレガがラズガットリオグルをパス。わずか0.003秒差で、ブレガが優勝し、ラズガットリオグルが2位という結果となった。この0.003秒という差は、SBK史上、優勝したライダーと2位のライダーの差としては最も僅差のものとなった。また、3位はバウティスタが獲得した。

 レース2は、気温24度、路面温度33度のドライコンディションで始まった。スーパーポール・レースの結果により、ポールポジションはブレガ、2番グリッドはラズガットリオグルで、チャンピオン争いを繰り広げる二人が並んだ。3番グリッドはバウティスタというフロントロウである。

 このレースでホールショットを奪ったのはバウティスタだった。2番手には4番グリッドスタートのロカテッリ。ブレガは3番手、ラズガットリオグルは4番手のレイの後ろ、5番手に後退した。

 3周目、ブレガが1コーナーのブレーキングでロカテッリをかわして2番手に浮上する。また、ラズガットリオグルもレイとロカテッリをパスし、3番手にポジションを上げた。トップ3はバウティスタ、ブレガ、ラズガットリオグルというオーダーとなり、接戦のトップ争いとなる。

 5周目、ラズガットリオグルはブレガをパスし、2番手に浮上した。ブレガも何度かラズガットリオグルをかわそうと窺うも、ラズガットリオグルが2番手を守り、バウティスタとの差を詰めた。

 トップ争いは、バウティスタとラズガットリオグルによる争いとなった。しかし7周目、6コーナーでバウティスタがはらむミスを犯す。ラズガットリオグルはこのすきを逃さず、バウティスタをオーバーテイクして、ついにトップに立った。その後、ラズガットリオグルは、後方を引き離していく。

 チャンピオンシップでランキング2番手につけるブレガは、9周目にバウティスタをかわして2番手にポジションを上げた。しかし、このときすでにラズガットリオグルは2秒以上前方を走っており、その後も差は広がっていった。

 ラズガットリオグルはそのまま優勝を飾り、チャンピオンシップにおけるブレガとの差を46ポイントに拡大した。2位はブレガ、3位はバウティスタだった。

 4位はレイ、5位にはマイケル・ファン・デル・マーク(ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が入った。

 このレースではペトルッチが7位を獲得し、この結果、2024年シーズンSBKのベスト・インディペンデント・ライダーを獲得した。

 スーパースポーツ世界選手権(WSS)では、レース1でヤリ・モンテラ(バーニー・スパーク・レーシングチーム)が優勝。2位はアドリアン・ウエルタス(Aruba.itレーシング・ワールドSSPチーム)、3位はステファノ・マンジ(パタ・ヤマハ・テンケイト・レーシング)が獲得した。鳥羽海渡(ペトロナス・MIEレーシング・ホンダ)は、ポイント圏内の14位だった。

 なお、ドゥカティはこのレースで2年連続となるWSSのマニュファクチャラー・タイトルを獲得した。

 レース2では、マンジが優勝し、2位がウエルタス、3位がヴァノントン・デビース(エヴァンブロス.ワールドSSPヤマハチーム)。鳥羽は転倒リタイアでレースを終えた。

 女性サーキット・レーシング世界選手権(WCR)のレース1は、雨により赤旗終了となった。優勝はアナ・カラスコ(エヴァンブロス・レーシング・ヤマハ・チーム)、2位はマリア・エレーラ(クリント・フォワード・レーシング・チーム)、3位はベアトリス・ネイラ(Ampito/パタ・プロメテオン・ヤマハ)が獲得した。平野ルナ(チーム・ルナ)は20位だった。

 レース2はサラ・サンチェス(511 Terra&Vitaレーシング・チーム)がWCRでの初優勝を飾った。僅差の2位はカラスコ、3位はエレーラ。平野は朝のウオームアップで転倒を喫してメディカルセンターで診察を受けたが出走し、19位だった。