こんな会社、やめてやる! そうしょっちゅう言っている人に限ってなかなか退職しないというのは、これはもう世の中の常である。結婚相手に不満を持っているのに、いざ離婚を勧めると「もうちょっと様子を見てみる」とか言う人も、そういうタイプ。
こんなのは世の中のあらゆるジャンルで観察することが可能。当然、下の下の趣味の筆頭であるパチンコにも、そういった者はいるのだ!
パチンコなんてお金の無駄。パチンコは社会悪。パチンコは地獄への片道切符。そんなことを言いながら、パチンコをやめられない依存症の人。いっぱいいるんだよね。今日はそんな人たちがなぜパチンコをやめられないのか。その理由を考えていきたい。(文:松本ミゾレ)
意志が弱い人、誘惑に弱い人のための罠。それがパチンコ
そもそもパチンコというのは他にこれという趣味もなく、出会いもなく、日常が非常に寂しい人のための娯楽みたいな側面が昔からある。友達がいない人にとってはパチンコは最高かつ最悪のパートナーであり、孤独な人との親和性がそもそも高いのだ。
僕も割と単独行動を好む性質だしパチスロをやる(パチンコもパチスロも大体一緒。しょうもない趣味)ので分かるが、とにかく1人で過ごしたい人や、何かやるべきことをやらず、後回しにしがちな人ってパチンコに没頭しがちなのだ。
僕だって今これを書いてるのはもう深夜1時だが、さっきまでパチスロをしていて、やっと帰宅してこの原稿に着手している有様である。今日ですか? 2万負けました! 押忍!
こういうことが日常になっちゃってる人は、娯楽への誘惑耐性などない人。そう。僕もそれ以外の依存症の人も、「そりゃやめられないよね」って感じの人種なのである!
それこそね。先日も5ちゃんねるに「パチンコ辞めます」ってスレッドが立ってたんだけど、やめますって宣言しちゃうぐらいにはボロクソに負けた中毒者ですという、これは究極の自己紹介みたいなもの。
「マジで無理」とか「表記通りの抽選をしているとは思えない」とか書き込んでいるので、よほど負けたんだろう。こんな負けまくるまで打っちゃう人がさ、やめられるわけがないんだよね。
ということで、パチンコをなぜやめられない人がいるのか。その最初の理由の一つが、意思が弱く、誘惑にも弱いから、ということである。
向上心がなく自分の将来を俯瞰できない人の娯楽、パチンコ
また、前述のスレッドを立てた人物は「3か月連続で給料もらって初週に10万負け。マジで遠隔としか思えんレベルで負ける。遠隔じゃないとしたらそもそもパチンコがクソ詐欺インチキ表記」とも恨み節。そんなに負けてるなら毎月の給料が出た段階で「もう学んだぞ、初週で10万負けないようにしよう」とか思うのが普通。
これは依存症の僕ですら思うことである。だって毎月のお給料をこの人はもらっていて、3か月連続その最初の週で10万やられるわけだよね。でも給料が出るタイミングなんて基本的にみんな似通っているわけで、世間で言う給料日前後なんてホールも渋くするのが当たり前。「お金が出たからすぐ打ちます」じゃ財布の中身もそりゃ持たないに決まっている。
こういうちょっと10日かそこら我慢するだけでもまだ負けがマシになるレベルのことを我慢できないのが本物の、ダントツの、勢いのある、ヤングで、マスト・ダイな依存症だ。
そんな人たちなので勝とうとする向上心が欠けてるというか、ちょっとでも釘が開いているのではないかと期待できる時期まで待つということができない。
ほんの少し先の未来の可能性も見ていない人って、大きく書くと将来が俯瞰できていない人とも言える。未来を見ていない人は財布の残金だって見ない!だから負けるのだ!
パチンコをやめる強い意思を持てる人は最初からパチンコにハマらない
あと、そもそも論を書いてしまうとパチンコをやめるという意識を有している人は、やっぱりなんだかんだ人にアピールする前にやめちゃってるんだよね。
パチンコをやめる程度のこと、別にインターネット掲示板でわざわざ宣言しなくてもいいわけで。負けて悔しい気持ちは分かるけど、普通に考えてパチンコなんて1回でも大当たりを射止めるだけで相当な運を使うようなタイトなギャンブルだから、負けるのは当たり前。
常勝なんてプロでもできない。負けることこそパチンコなのだ。
どうせこういう人は1000円15回転以下の回らない台とかでも、打ち続ける理由を考えて強引に続行しちゃうタイプ。そりゃ5ちゃんねるに泣き言書きたくなるまで負けますよって話なのだ。
パチンコをやめるやめると言いながら、一つも有言実行できない理由。その最たるものは、そもそもそんな強固な意思なんか最初からもってないからである。ちゃんとやめるって決めた人は、特に宣言なんかしなくても普通にやめてるからね。そういう人は凄いよね。僕は……やめません(笑)。