世界62の映画祭に招待され、10の賞に輝いた名匠ファイト・ヘルマー最新作『ゴンドラ』(11月1日公開)より、日本版予告編が解禁。併せて、ジェーン・スー、吉田恵里香ら著名人や劇場関係者から本作に寄せられた応援コメントが到着した。
【動画】もちろんセリフなしの『ゴンドラ』日本版予告
ドイツ・ジョージア合作となる本作は、『ツバルTUVALU』や『ブラ!ブラ!ブラ!胸いっぱいの愛を』など<セリフなし>映画の名匠ファイト・ヘルマーの最新作。コーカサス山脈の西、ジョージア(旧グルジア)の小さな村を舞台に、ゴンドラ(ロープウェイ)の2人の女性乗務員イヴァとニノが繰り広げる、自由な創造力と小さな恋、ユーモアあふれる復讐を描いた、観た後ちょっと幸福になる<セリフなし映画>だ。ヘルマー監督の「人生には少ないながらも素晴らしい瞬間がある。それを伝えるため、私の映画は、ある種のハッピーエンドにこだわる」という映画哲学が込められている。
昨年の第36回東京国際映画祭コンペ部門に正式出品されたほか、世界62の映画祭に招待され、10の賞に輝き、フランスでは12週のロングランヒットを続けている。
イヴァは小さな村でゴンドラの乗務員として働き始める。仕事仲間は、もうひとつのゴンドラ乗務員のニノと威張り屋の駅長だった。彼の態度に腹を立てた彼女たちは、ゴンドラがすれ違うたびに奇妙なやり取りを始める。やがて村人が彼女たちのやり取りを知って…。
日本版予告編は、ヘルマー監督のプロダクション名がゆらゆらゴンドラのように揺れる映像から始まる。続いて、ジョージアのフロ村に実在するゴンドラを軸に、ふたりの女性乗務員と駅長、村人たちの独特でどこかファンタジックなやりとりが映し出されていく。最後は、「私たちは、言葉以外でこんなにも心を伝え合っている」(ジェーン・スー/ラジオパーソナリティー・コラムニスト)、「何を感じて、何が沁みたのかを観た人に聞きたくなる作品です」(吉田恵里香/アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』、映画『センセイ君主』、連続テレビ小説『虎に翼』脚本家・小説家)という著名人から本作に寄せられたコメントがゆらゆらと映し出されて幕を閉じる。
ゴンドラは行ったり来たり。世界のどこかに行けるわけではないけれど、想像力があればどこへでも行ける。そんな作品の世界観が伝わってくるような、温かみのある予告編となっている。
映画『ゴンドラ』は、11月1日より新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開。
著名人と劇場関係者のコメント全文は以下の通り。
<応援コメント全文>
■ジェーン・スー(コラムニスト/ラジオパーソナリティー)
美しいジョージアの景色も、村人たちの表情も、アテンダントふたりの行動も、そしてゴンドラ自身も、なにもかもが饒舌。私たちは、言葉以外でこんなにも心を伝えあっている。
■吉田恵里香(アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』、連続テレビ小説『虎に翼』脚本家・小説家)
惹かれあい愛し合っていくニノとイヴァの姿を通じて『自由とは何か?』『規則とは何の為に存在するのか?』を気づけば自問していました。何を感じて、何が沁みたのかを観た人に聞きたくなる作品です。
■が~まるちょば(マイムアーティスト)
セリフがないのはセリフを必要としないから。音も音楽も、そして伝えるべき想いもキチンと映像に刻まれた、言葉に限定されない心のやり取りは、観ていて自然と楽しくなっちゃいます。
■ISO(ライター)
ファイト・ヘルマーが甘美な映像言語で紡ぐ、言葉いらずのクィア・ロマンス。行き交うゴンドラで奏でられる「どうやってあの人を笑わせよう」と思いを巡らす恋の歓びに、何度笑顔が溢れたか。
■櫻井知友樹(シネマカリテ/営業係)
セリフはないけれど、会話のキャッチボールの様に行き来するゴンドラが心地良い。ゴンドラの駆動音、村人の生活音、牛の鳴き声がジョージアの山間へと私たちを誘うヘルマーマジック!
■瀧川佳典(テアトル梅田/営業係)
85分という時間の中に美しい映像と音楽を乗せて、ぬくもり、いじわる、たくらみ、いたずら、ちいさな恋まで映画的滋味がたっぷり。引っ込み思案で高い所と狭い場所がちょっぴり苦手な方にぴったり。
■渡邉隆介(キネマ旬報シアター/番組編成担当)
小さなゴンドラが想像の翼を広げる、キュートで愛おしい物語。セリフがなくても豊かな世界に、チャップリンやジャック・タチ以来の映画の素晴らしさを感じました。