うまい話には裏があると言われるが、まさか親友の母親に騙されるとは思わないだろう。
投稿を寄せた大阪府の40代女性(年収700万円)は今から25年ほど前、そんな痛い経験をしたという。騙された相手は高校時代の親友の母親で、かつて家族ぐるみで付き合っていた。
「お互い母子家庭でお母さん同士も仲良くなり、お互い妹も年が近く……」
それなのに、この母親に30万円を騙し取られたという。一体どのような経緯があったのだろうか。(文:天音琴葉)
「30万円貸して。お母さんの許可は貰ってるから」母はそんなこと全然知らず……
当時の女性は独学で調理師を目指していた。若かったとは言え、相当ハードな生活をしていたようだ。
「イタメシ屋で朝10時~23時まで働き、その後翌朝5時までバーでお酒の勉強で働いて、休みは寝溜め……という生活でした」
と当時を振り返った。ちなみに調理師の専門学校に通わなくても、飲食店などで2年以上の実務経験を積めば試験を受けられ、合格すれば調理師免許を取得できる。
ところが、「働いてたイタメシ屋は、アルバイトには書類書けない」と断られたそう。書類とは、勤務を証明してもらう調理業務従事証明書だろう。飲食店で所定の労働時間を満たしていれば、いくつかの注意事項はあるものの、正社員である必要はない。店主の勘違いか、なんらかの要件を満たしていないということだろうか。
落ち込んでいた女性に、親友の母親はこう提案した。
「新しい彼氏がお店やってて、そこで働いてる形にしたら書類書いてあげれるよ!」
まるで悪魔の囁きだ。そして次のように続けたのだった。
「お店に鉄板置きたいから30万円貸して欲しい。お母さんの許可は貰ってるから」
明らかにおかしな話だが、このとき女性はまだ若く、相手が親友の母親とあって信用してしまったようだ。「翌日書類と30万円持参して書類記入と借用書を書いてもらいました」というが、おそらく親友の母親か彼氏が適当に記入したのだろう。
前述の通り、実務経験として認められるにはさまざまな要件がある。そもそもその店で勤務していないのだから、無効であることは言うまでもなく、端から女性を騙すつもりだったことは明白だ。
家に帰ると、自身の母親に「休みの早くからどこ行ってたん?」と聞かれた。そのため一部始終を話したら、母親から思いもよらない言葉を返されたのだった。
「30万円の話は聞いてないと言われ。親友のお母さんに連絡しましたが、なかなか取れず……」
こうして1か月以上が過ぎた頃、親友の母親に連絡が取れたようだが、
「借用書には彼氏の名前で私は別れたからもう知らない……と言われ、親友にも連絡すると、お母さんのお金のことは私に言わないで!と言われて泣き寝入りで終わりました」
案の定、30万円が返ってくることはなかった。
「もう、25年程経ちますが、今だに腹立つけど、人生の勉強になりました。ちなみに、親友はお母さんの金銭感覚(の影響)で自己破産もしてて、飲み屋さんで働いてそこのボーイと出来婚して浮気され離婚してたみたいで、子どもが小さくて請求する気にも怒る気にもなれなかったです」
子どもは親の背中を見て育つというが、母親と同じような道を進んでしまった親友。一方で女性は、自身が調理師になれたかは明かしていない。現在は水産関係の仕事に就いているという。
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