Text by CINRA編集部
今敏監督の特集上映『今 敏 生誕祭』が、10月11日から池袋HUMAXシネマズで開催される。
1963年10月12日に生まれた今敏監督。2010年に46歳で逝去したのちも『パプリカ』『妄想代理人』『パーフェクトブルー』といった代表作は世界中から支持を集めている。
『今 敏 生誕祭』では10月11日から17日まで『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』、今敏監督の誕生日である10月12日に『パーフェクトブルー』、10月18日から24日まで『千年女優』を上映。さらに10月18日には『妄想代理人』全13話を一挙にオールナイト上映する。
なお10月18日の上映前には『妄想代理人』でマロミ役を演じた桃井はるこ、音響監督の三間雅文が登壇するトークショーを開催する。
また横須賀HUMAXシネマズ、成田HUMAXシネマズでは『千年女優』を10月11日から17日まで、『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』を10月18日から24日まで上映する。
チケットなどの詳細は各館のオフィシャルサイトで確認しよう。
なお『パプリカ』で千葉敦子/パプリカ役を演じた林原めぐみから『パプリカ』の国内初となるDCP上映に際してメッセージが到着している。
【林原めぐみのコメント】
スクリーンでまた、「パプリカ」に会える!
本当に、本当に、心から嬉しいです。
私にとって「パプリカ」は、貴女が私を呼んだのね…と心底思えるほど、演じるのにノンストレスだった作品です。
昔から、少し変わった夢を見る事も多く、またあの夢に帰りたいと感じたり、どうして夢はビデオに残せないのかと悲しんだり、夢の中の出来事を分析してみたり、「明晰夢」を楽しむところもあったり、と、一見難解に見えるこの世界は、私にとっては、心の解放でした。空から落ちていくパプリカは、まさに自分の実体験が映像になっているかのようで、鳥肌が立ったことを今でも覚えています。
夢は答え合わせ、夢は自己の開放、夢は深層心理からのメッセージなど、色々な角度から分析がなされています。承認欲求や正義をまとった誹謗中傷が溢れているこのSNS時代に、誰にも侵されない自分だけの、誰にも侵されない場所として、「夢」は人間にとって、より重要な役割を担っているようにも思います。
今監督の次回作、心から観たかった。
あわよくば一言でも参加したかった。
最後に出てくる「夢見る子供たち」って映画おすすめです。のセリフはずっとリフレインしています。
人が眠る限り、眠りの傍らに夢がある限り、
パプリカは眠りません。どうか、どうか、何度でも楽しんでくださいね。
林原めぐみ