浅野忠信が主演するフランス、日本、スペイン、ベルギー合作映画『レイブンズ』に、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀の出演が決定。あわせて場面写真が解禁された。
【写真】実力者キャストそろい踏み 映画『レイブンズ』場面写真
本作は、伝説の写真家・深瀬昌久と妻・洋子の波乱万丈の50年愛を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いたダークでシュールなラブストーリー。『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』のマーク・ギルが監督・脚本を務める。
浅野が演じたのは、伝説の天才写真家・深瀬昌久。カラスを執拗に撮り続けた代表作「鴉」(英:Ravens)は、世界の写真史にその名を刻み、世界的にも高い評価を受け続けている。深瀬は、天賦の才を備える一方で、心を閉ざし、闇を抱えていた。それは異形の<鴉の化身>として現れ、芸術家への道を容赦なく説く。深瀬の最愛の妻であり最強の被写体であった洋子の存在を犠牲にしても。
妻の洋子役は、海外合作映画初挑戦となる瀧内公美。『由宇子の天秤』、大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)などの最旬実力派俳優だ。洋子は写真家である深瀬の被写体にとどまらず、夫を闇落ちから守る、パワフルな存在である。
このたび、新キャストが解禁された。古舘寛治は、深瀬の父親の深瀬助造役。北海道で老舗写真館を経営し、戦争で心を病み、息子に厳しく接する複雑な心情を抑えた演技でみごとに表現する。池松壮亮は写真家・深瀬昌久(浅野)の助手・正田役。60年代から晩年まで、公私ともに師を支え深瀬がアル中になっても見捨てなかった。高岡早紀は深瀬の行きつけの新宿ゴールデン街のバー「南海(なみ)」の店主役。泥酔する深瀬を見守りつつ、写真家としての才能を信じ続ける。
映画『レイブンズ』は、2025年3月より全国公開。
※マーク・ギル監督、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■マーク・ギル監督
古舘寛治について:イギリスで公開された彼の作品はたくさん見ています。彼が助造の役を引き受けてくれたときはとても嬉しかった。寛治は深瀬の父親像に真に迫る迫力を与えてくれました。他のキャストと同様に私の脚本を彼自身のものにしてくれました。私は俳優たちがそのように脚本を自分のものにしてくれるのがとても嬉しいのです。
池松壮亮について:欧米の多くの観客と同様に池松さんを初めて観たのは『ラスト・サムライ』でした。彼は小さいころから偉大な俳優になると誰もがわかっていました。池松さんは正田というキャラクターに温かさを与えてくれた。それは深瀬がたびたび陥る負の状態を際立たせたのです。
高岡早紀について:実際の南海さんはエレガントでとても格好いい女性です。なので、高岡さんは完璧な選択でした。また、私は映画に登場するすべての女性キャラクターに深瀬を畏れ敬って欲しくなかった。高岡さんは持ち前の知性でそこのところを上手に表現したと思います。
■古舘寛治
いつも同じことを言ってるが、自分が参加した作品を客観的に観ることは難しい。しかし『レイブンズ』はとても楽しく観ることができた。
外国の監督が日本で日本人の映画を撮るのはとても難しいに違いない。自分の理解しない言語だけでなく、知らない慣習や文化まで撮る必要があるからだ。しかし『レイブンズ』は日本人監督にはないセンスをしっかりと作品から醸しながらも、ちゃんと日本人を描いていた。
破滅的芸術家、深瀬昌久を余計なものを足すことも引くこともなく描きながら、ただの伝記に終わらずに、ギル監督がなぜ彼を映画にしたかったのかが最後にしっかり伝わってきた。いい映画です。ぜひご覧ください。
■池松壮亮
『レイブンズ』という素晴らしい作品に参加できたこと、とても光栄に思っています。深瀬昌久さんの人生と死生観を、静かに見つめるマーク・ギル監督の知性と勇気に感銘を受けました。その瞳を通した美や精神性は、静謐でクールでとても深い余韻をくれました。深瀬さんの隣で長年を過ごした相棒のような役を演じさせて頂きました。浅野さんとの共演はとても瞬発的で感覚的で愉快なものでした。浅野さんと深瀬さんの時代を越えた奇跡の邂逅を特等席で見せてもらえて、とても幸せな時間でした。
■高岡早紀
浅野さんとは30数年ぶりの共演なので、再会はとても感慨深いものがありました。海外の監督が、⽇本⼈のカメラマンの⽣涯を描いている作品なので、客観的な感覚が、この作品を更に興味深いものにしてくれているのではと思います。