日向坂46の四期生が、さらに絆を深めた。11人で初挑戦した青春映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』では、メンバーが“個性豊かなクセつよ女子高生”にふんして、東京の各所を奔走する。修学旅行をきっかけに憧れの東京の地を巡る女子高生たちの物語になぞらえ、地方出身で上京組の小西夏菜実、正源司陽子、藤嶌果歩、渡辺莉奈、東京出身の石塚瑶季にも“都内の憧れスポットや、いち早く東京に染まったメンバー”について問いかけると、意外な答えも飛び出した。
【写真】ヘアカットしてイメチェンしたメンバーも 正源司陽子、渡辺莉奈、藤嶌果歩、石塚瑶季、小西夏菜実の5ショット
■初挑戦の映画撮影に“イメージチェンジ”で臨んだメンバーも
――渡辺さんは熊切和嘉監督の要望で、映画撮影に合わせて髪型をショートにしたそうですね。おひさま(ファンの愛称)のあいだでは当初、驚きの声も上がっていました。
渡辺:ここまで髪を短く切ったのは初めてで、自分でさえ見慣れなかったです。でも、切ってすぐに撮影が始まったこともあって、撮影中は演じた桐井智紗ちゃんになりきれました。撮影が終わってからは、髪が短いままでの活動に不思議な気持ちもあったんですけど、ファンの皆さんからもうれしい言葉をいただいたので、よかったと思いました。ライブで、イヤモニを付け直したりするのも楽です(笑)。
――渡辺さんのように、石塚さんも撮影に向けて人生初の姫カットでイメージチェンジ。ブログでは15cmヘアカットし、約1年ぶりに黒髪に戻したと明かしていました。
石塚:説田詩央里ちゃん役を演じなければ、たぶん、一生やらなかった髪型です。切ってからは不安もあったんですけど、ファンの皆さんから「似合ってるよ」と言っていただけたのがうれしくて、今では大好きな髪型になりました。
――髪型でいえば、小西さんも映画内でピンクのインナーカラーを入れていました。
小西:髪を染める機会がなかったので、撮影期間中は朝起きるたび、ピンクの髪にテンションが上がりました。起きてすぐ鏡を見て、カラーリングした髪があるのは普段では絶対にありえないので、うれしかったです。
――正源司さんはブログで「撮影中もたくさんハプニングが起きて楽しすぎました!」と振り返っていて。例えば、何があったんでしょう?
正源司:いろいろあったんですけど、撮影初日に訪れた浅草の雷門では、外国人観光客さんに英語で「写真を撮ってください」と言われました(笑)。監督から「スタート!」と言われた直後でしたけど「まあ、いっか」と思い「OK!」と答えて。私たちが本当の修学旅行生に見えたのかなと、若干の安心感も得られました。
――藤嶌さんは、神社の境内で竹内希来里さんと共にコミカルに掛け合うシーンが印象的でした。
藤嶌:1日中、神社で撮影していたので、神社の主みたいな気持ちでした(笑)。蚊がたくさん寄ってきて、虫よけスプレーをかけるくらいしか対策できなかったんですけど、撮影がスタートするとかゆみがおさまったんです。演技モードに入ると切り替わるんだと、この映画で初めて知りました。竹内との撮影は他にもあって、街中でコソコソ隠れながら同級生を追いかけるシーンでは「この子たち、大丈夫?」みたいな目で周りから見られて、恥ずかしかったです(笑)。
■上京組と東京出身の石塚が語った東京の“憧れスポット”は?
――映画では、修学旅行をきっかけに上京する女子高生たちを描いていますが、日向坂46にもグループ加入をきっかけに上京したメンバーがいます。例えば、今回そろった5人では、東京出身の石塚さんをのぞく4人が上京組。北海道出身の藤嶌さん、兵庫県出身の小西さんと正源司さん、福岡県出身の渡辺さんの中で、上京後に“いち早く東京に染まった人”を決めるとしたら…?
石塚:絶対、藤嶌か小西です。藤嶌は、加入初期から「原宿に行った」とか「どこどこのパンケーキ屋さんに行った」とか、いろんな情報を聞いていたし、早い段階から楽しんでいたのかなって。
藤嶌:グループの“JK担当”なので、流行りのスポットにはすぐ行っちゃうんです(笑)。
石塚:(笑)。小西は上京していち早く下北沢へ行って、憧れていた人気のパンケーキ屋さんとか、いろんなところへ行っていたイメージもあります。
小西:地方出身だからこそ、東京へ来たなら「東京を楽しみたい!」と思っていたからです。でも、東京に染まってはいません(笑)。
――(笑)。小西さんが行ったパンケーキ屋のように、皆さんも上京して、憧れのスポットへ足を運んだのでは?
正源司:上京してすぐ、秋葉原と池袋のアニメイトに行ったんです。アニメや漫画が好きなので「アニメの聖地とされる場所へ行くしかなかろう!」という気持ちでした。
藤嶌:グループ加入前の研修期間は東京へ定期的に通っていたんですけど、私はキャリーケースをゴロゴロさせながら、渡辺と一緒に韓国料理を食べるために新大久保に行きました。
渡辺:帰りの飛行機へ乗り込むために新大久保駅から空港へ向かわなければいけない時間のギリギリを攻めました(笑)。
藤嶌:空港までの道で、いつも走っていたよね。
渡辺:うん。ギリギリまで東京を楽しんでから帰りたかったし、搭乗時間を変更したこともありました。
――地方出身メンバーの話を聞きましたが、東京出身の石塚さんにも憧れのスポットが…?
小西:いろんなスポットを知っているし、網羅してるよね。
石塚:東京はマップなしで歩ける自信があります(笑)。でも、西東京はあまり行ったことがなくて、都内から約1時間半で自然を感じられるとも聞きますし、奥多摩とかに行ってみたいです!
■団結力も日に日に強まる舞台裏では同期・平岡海月への信頼も
――四期生初の映画撮影を経て、絆もより深まったかと思います。
正源司:自分にできることをそれぞれが見つけられる新たな機会になったし、演じた役を通して、メンバーのいろんな面を見られたのも楽しかったです。
渡辺:四期生としての団結力を、普段も感じているんです。例えば、レッスンで誰かが「テキパキと進めよう」と思った日には、会話は少なく、黙々とダンスを体に入れていったり、分かり合っているから他の子の考えが分かるし、無言の気遣いができます。
正源司:スケジュールが頭の中でゴッチャ混ぜになりやすいんです。そんなときに「次の予定は何だっけ?」と言うと、必ず誰かがスッと答えてくれて。いつでも周りの声に耳を傾けているのは、互いの信頼関係があるからだと思います。
石塚:誰かが「調子悪いのかな?」と思ったら話しかけて、気落ちしないように明るく振る舞ったりもできるよね。
――そうした場面で、特に率先して場を引っ張るメンバーは?
小西:みっちゃん(平岡海月)ですかね。自分の負担になるんじゃないかと心配にもなるほど、落ち込んでいる子にすぐ駆け寄っていくし、他人を気遣える存在でありがたいです。
――四期生としての団結力も日々、強くなるばかりですね。最後、その力を結集した映画公開を控えての思いを改めて、正源司さんに伺えれば。
正源司:初めての演技でしたけど、私たちにできることは最大限にやってきました。監督やスタッフさんと共に「すてきな映画を作れたんじゃないか」と思っていますし、すてきな青春のステージが、観てくださる皆さんの心にも響いたらうれしいです。
(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:山田健史)
映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』は10月25日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。