10月4日から走行が開始するMotoGP第16戦日本GP。搬入日となる3日の記者会見にホンダ・イデミツLCRから参戦する中上貴晶が出席し、フル参戦ライダーとしてはラストとなる母国GPへの意気込みを語った。
8月29日に2024年限りでフル参戦ライダーを終了させることが発表した中上。2025年からはHRCのMotoGPマシン開発ライダーを務めるため、今回の日本GPがフル参戦ライダーとしては最後の母国GPとなる。
木曜日の記者会見に出席した中上。日本GPではスペシャルヘルメットを披露しており、2024年日本GP仕様のヘルメットを持って会見に挑んだ。
「フル参戦ライダーとして最後のホームグランプリになるので、もちろん悲しい気持ちはあります。現時点では、何も変わらないし、これまでとまったく同じだと感じています。もちろん、ホームグランプリだから特別なことではありますが、それ以上のことはありません。日ごとに気持ちが変わっていくでしょうが、今のところ、特に変わった感じはしません」と語った中上。
その後の囲み取材では、日本GPで目指すポジションについて言及する。
「まずは2024年シーズンで自分自身ベストの走りをし、シーズンを通していちばんの結果を残したい。それを実現できるようにしっかりチームともっとコミュニケーションを取りつつ、常にいい状態でバイクに乗り込めるようにしたいです」
「現実問題、トップ10に入れればいいかな。というか、トップ10ではフィニッシュしたいです。レースだけでなく、(週末を通して)コンスタントに行ければいいと思います」
「まずは明日、走り出しからどういったレベルで、自分がどこの順位にいるのか把握しながら、変に高望みせず、状況を見て狙える位置。トップ10に近い位置に自分の名前があれば、トップ10を狙いたい」
「セッションごとに前進が感じられる週末にしたいですね。この先も残り少ないですが、今週末ですべてが終わりではないですが、ひとつの区切りとしてここを楽しみつつ、常にいい状態で乗りたいです」と中上。
インドネシアGPから投入した新しいエアロについて聞かれると、「効果を出したいですね。マンダリカでは、旋回性の部分が明らかに向上しています。ただ、もてぎは回り込むコーナーが限られているので、エアロの効果がどれだけ感じられるかというのは見えない部分はあります」
「コーナー立ち上がりのウイリーも多くなっています。マンダリカではいいところがセクターを含め効果を感じられたのですが、もてぎはレイアウトがだいぶ違うので、どうなのかという部分がありますね」
目指すタイムについても「昨年の自分が出したベストタイムは超えなければいけないし、トップは予選で42秒台に入ってくると思うので、そこは不安です。ドゥカティ勢が予選でどこまでの恐ろしいタイムを出すのかが、楽しみでは無く恐怖です。恐ろしいタイムはあまり見たくないですね」と語った中上。
来季の去就を発表したことによって心境にも変化はあるようだ。
「来季の契約が決まる前は、単純にどんな手を使ってでもホンダの中でいちばんでゴールをする。それがホンダからの自分の評価に繋がると思っていたところが、だいぶ柔らかくなりましたね」
「ホンダの中でいちばんでゴールできればいいと思っていますけど、何がなんでもというそこまでの気持ちは薄れてきていて、どちらかというと来季に目を向けています。どんなに頑張っても契約が変わることはもう無いので、そこはフル参戦ではない別の仕事・役割になるので、どちらかというとあまり後悔するレースをせずに、結果がどうであれ、やりきって自分ができることを出し切る週末、セッションにする。自然とそうなっています」
「今までも一戦一戦を大事にしていましたし、重みというのは変わらないのですが、どこか気持ちの中で週末を終えたときに、もうそこに来ることは二度とないかもしれないなどと考えると、サーキット出る時に思い残すことがないようにしたいと思うようにはなりました」とコメント。
フル参戦最後の母国GP、「今まで以上に特別なGPになると思います」と語った中上の走りに期待したい。