Text by CINRA編集部
展覧会『マティス ― 色彩を奏でる』が10月4日から銀座・ポーラ ミュージアム アネックスで開催される。
ポーラ銀座ビル15周年を記念した同展では、「色彩の魔術師」と呼ばれるアンリ・マティスが生涯を通して描き続けた室内画、ポーラ美術館収蔵の『リュート』をはじめとした絵画5点と、晩年の作品『ジャズ』(全20図)を展示。昨年に初個展を開催した松島聡(timelesz)が音声ガイドに初挑戦する。音声ガイドはオフィシャルサイトで予約受付中。
会期中は「赤ちゃん鑑賞会」や、認知症の方を含む65歳以上を対象にした対話型鑑賞会を実施。切り絵アーティストの福井利佐によるマティスの切り絵の技法を取り入れたワークショップも行なわれる予定だ。入場無料。
【松島聡(timelesz)のコメント】
私がこれまで触れてきたアートは、どちらかと言うと“闇や狂気”を感じさせる作品が多かったのですが、マティスの作品を見た時に、ご機嫌で、とても心地良く、明るさをもたらしてくれる作品ばかりで、個人的にはとても新鮮でした。
大胆な色彩と筆致によって描かれたモチーフからは生命の強さを感じつつ、あえて余白がつくられていたり、色のレイヤー数を減らしシンプルに描いていたり、見る人にリラックス効果を与えている作品が多いように感じました。そして、抽象化し、色彩でインパクトを生むマティスならではの表現方法に終始圧倒されました。
今回、音声ガイドに初めて挑戦しましたが、とても充実感を得ることができ、心の底から楽しめました。作品の魅力を声で伝えるという、大変重要な役割をさせていただきましたが、マティスの作品を見ていると、自然と口角が上がり語りたくなる作品ばかりで、とてもリラックスしてガイドを出来たと思います。
視覚と聴覚でも味わう、マティスの世界観。作品の持つ深みが、私のエスコートによって、より一層、伝わるようにという想いを込めて、今回のガイドを努めました。
アートを見た後の感じ方は人それぞれ違いがあり、正解はないと思っておりますが、“心が満たされた”、“マティスをもっと知りたい!”というポジティブな感覚になっていただけると、ガイドを務めさせていただいた私にとっては嬉しいです。
松島聡(timelesz)