芸人ユニット「大宮セブン」の真実に迫る映画『くすぶりの狂騒曲』が、12月13日より劇場公開されることが決定。ポスタービジュアルと先行場面写真が解禁された。
【写真】芸人ユニット「大宮セブン」の真実に迫る物語 映画『くすぶりの狂騒曲』場面写真
2014年「大宮ラクーンよしもと劇場」オープンに合わせて、東京の劇場でくすぶり続けていたタモンズ、マヂカルラブリー、GAG少年楽団などの芸人たちが集められた。彼らは「島流し」と揶揄されながらも、大宮を盛り上げるためにユニット「大宮セブン」を結成。当初は劇場にお客さんが全く入らず、ほぼ無観客ライブの毎日だった。そのため、「大宮セブン」のメンバーたちは自ら煙の中での営業、雨の中傘をさしての営業、ただのカレー屋でほぼ外国人の中での営業など、東京では考えられない数々の修羅場をくぐって、今では多くのメンバーは数々の賞レースで結果を残し、テレビでも活躍中だ。
そんな「大宮セブン」の真実に迫る物語が映画化。「大宮セブン」の初期メンバーでありながら、仲間の活躍を横目に、飛躍のきっかけをつかめない状況に葛藤するタモンズを中心に、成功を夢見る芸人たちの軌跡をたどる大人たちの青春群像劇が誕生した。
「大宮セブン」が活動する大宮ラクーンよしもと劇場は、少ない客、会社からの非難や悪口など、お世辞にもその扱いは良いものとは言えなかった。追い打ちをかけるようにコロナ禍により劇場などでの活動が停止し、収入低下などにより彼らの置かれた状況は悪化の一過を辿っていた。
そんな中、「大宮セブン」メンバーのすゑひろがりずが、M‐1グランプリで決勝進出をはたし、YouTubeでの活動から人気を得る。さらに、R‐1でマヂカルラブリー野田が優勝、M‐1グランプリでマジカルラブリーが優勝。他メンバーも各賞レースで結果を残し、「大宮セブン」の躍進が始まる。
しかし、初期メンバーであるタモンズは、仲間の活躍を横目に、飛躍のきっかけをつかめないまま苦しんでいた。現状を打開するためにコンビ名を改名したり、果てには新たにメンバーを追加してトリオになろうとしたり、明確な指針もないまま迷走を始める。そんな彼らを間近で見ていた「大宮セブン」のメンバーは夜中に相談に乗ったり、自身の問題と重ねながらタモンズを何とか支えるのだった。メンバー間の友情、応援などを経て、タモンズは芸人を目指した時の純粋な気持ちを思い出し、ラストイヤーのM‐1へ最後の挑戦に挑むが…。
本作の中心となる芸人コンビ・タモンズのツッコミである大波康平を演じるのは、舞台『駆けぬける風のように』で文化庁芸術祭演劇部門「新人賞」を受賞し、TBS金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』、NHK連続テレビ小説『虎に翼』などで活躍する和田正人。ボケの安部浩章を演じるのは、入江悠監督の出世作『SRサイタマノラッパー』で主演を務め、その後も吉田恵輔、行定勲、犬童一心、藤井道人らの作品に出演する駒木根隆介。他にもチュートリアルの徳井義実、岡田義徳など実力派俳優が参加する。
このたび解禁となったポスタービジュアルでは、本作の中心となる芸人コンビ・タモンズの大波康平役の和田、安部浩章役の駒木根が、スポットライトが当たるステージの上で“サンパチマイク”の前に立ち、漫才をする様子が写し出されている。その背景にはマヂカルラブリー、すゑひろがりず、ジェラードン、GAG少年楽団、囲碁将棋など、タモンズと苦楽を共にした「大宮セブン」のメンバーたち。無観客ライブが続く中、なんとか芸人として売れようと葛藤しながら、共に戦ってきた日々を振り返る、どこか懐かい雰囲気が漂うビジュアルに仕上がった。
映画『くすぶりの狂騒曲』は、12月13日公開。
和田正人、駒木根隆介、タモンズ、マヂカルラブリーのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■和田正人(タモンズ:大波康平役)
いまも活躍を続ける、実在のお笑い芸人さんを演じるプレッシャーたるや…公開日が近づくにつれ、大宮セブンファンの皆さまからの無言の圧をズッシリと感じています。ただ個人的には、モノマネ映画にはしたくないなと、舞台の上に生きるお笑い芸人さんを、役者が全身全霊で演じる事に意味があるなと。そんなことを大切にしながら、お笑い芸人さんへのリスペクトを持って演じさせて頂きました。
本作は、くすぶり続ける芸人の、何も変わることのない日々を描いた作品です。強いて言えば、売れない芸人さんの苦悩を売りとした映画です。そんな中、今年のTHE SECONDタモンズ決勝進出。本戦でも準決勝まで勝ち上がる大躍進。欲を言えばですが…映画公開が終わるまで、くすぶり続けて欲しかったです。タモンズさん(笑)。
■駒木根隆介(タモンズ・安部浩章役)
現場がとても楽しかったです!というとどうかと思うコメントの入りなのですが。本当に楽しかったです。平均年齢40歳前後の、自分も含めてくすぶり率高めの俳優陣が、再現ではなく、自分達なりの「大宮セブン」を作ろうという、よく分からないモチベーションの高さが充満した現場でした。
相方役の和田さんとのプライベート漫才稽古も、まだまだ足りないと思わせてくれるメンバーたちでした。本物ではありませんが、スクリーンの中ではマルチバース「大宮セブン」として存在できているかもしれません。
タモンズさん始め、大宮セブンの皆さまと今作の益々の発展を願っております。なんたって現在進行形ですから!
■タモンズ・大波康平
くすぶりの狂騒曲を拝見させていただきました。自分がモデルの話なんですが、自分じゃないように見れました。なぜなら和田さんがかっこよすぎたから。あれはさすがに僕じゃないです。タモンズを知らずにこれを見た方が僕を見る機会があっても詐欺やと騒がないでください。和田さんがすごすぎるだけなんで。役者さんや製作陣の皆さんが素晴らしすぎて、あの何をやってもうまくいかなかった時期も意味があったんだと思わせてもらいました。うまくいかないことが悪いことじゃないと教えてもらいました。早く見た方と感想を言い合いたいです。ぜひ映画館でご覧ください。
■タモンズ・安部浩章
タモンズをモデルにした大宮セブンの映画を撮ると聞いた時は、プロデューサーさんが出世の道を閉ざされたか何かの理由でヤケクソになったのだと思いました。
でも出来上がりを観たら本気の大真面目映画でした。タモンズのくすぶりが見事に再現されていました。ただ辞めなかっただけの話をここまでの感動物語に仕上げて頂き、本当に恥ずかしいです。本当に嬉しく、本当に恥ずかしいです。
本当に恥ずかしいですが、ぜひ映画館で観て下さい!
■マヂカルラブリー・野田クリスタル
本当に恐ろしいのはまだまだ芸人人生は続くというところです。この映画も長い芸人人生の中では序章にすぎません。そんな序章ですらこんなに濃厚な人生を送れるなんてやっぱり芸人はいいですね。タモンズに関しては特にくすぶってきたし、今もくすぶってるし、一生くすぶってるかもしれません。でも人を笑わせ続けます。狂った芸人人生の一部始終をぜひご覧ください。
■マヂカルラブリー・村上
この映画を観てどんなことを思って欲しいかと聞かれても別にないですし、いい話なのかどうなのかもよくわかりませんが、とにかく説明できない涙が出てきました。開始数秒で泣きました。僕たち頑張ったよな、なんて思ってないのになぜだか涙が出ました。お笑い芸人を描いた作品は他にもあると思いますが、本当に本当のリアルを描いています。お笑い芸人、お笑いが好きな人、お笑いを目指している人、お笑いをやめたい人、お笑いをやめた人、お笑いに興味がない人全員に見て欲しいです。とにかくタモンズとこの映画が面白いことは間違いありません。