ミュージカル『ボニー&クライド』が、2025年3月~4月に東京・シアタークリエで上演されることが決定した。クライド役を柿澤勇人と矢崎広、ポニー役を桜井玲香と海乃美月がWキャストで演じる。
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1930年代、世界恐慌下のアメリカ中西部で銀行強盗や殺人を繰り返した実在の人物、クライド・バロウとボニー・パーカー。社会からはみ出した彼らの無軌道な生き様は、後のハリウッド映画に多大な影響を与えたアメリカン・ニューシネマの第1号として『Bonnie and Clyde』(邦題「俺たちに明日はない」)で描かれた。
この伝説のギャングカップルを題材に、『ジキル&ハイド』『笑う男The Eternal Love ‐永遠の愛‐』『デスノートTHE MUSICAL』などを手掛けた作曲家フランク・ワイルドホーンが創造したミュージカル『ボニー&クライド』は2011年12月にブロードウェイで上演され、2012年に日本で初演。その後ブラッシュアップされ、2022年ロンドン・ウェストエンドで再演、2023年には日本で宝塚歌劇団雪組にて上演された。
今回、上演台本・演出を務めるのは劇作家・演出家の瀬戸山美咲。これまでに第23回読売演劇大賞優秀作品賞、第26回・第27回読売演劇大賞優秀演出家賞、第70回芸術選奨文部科学大臣賞新人賞、第28回読売演劇大賞選考委員特別賞ならびに優秀演出家賞などを受賞。2023年には音楽劇『スラムドッグ$ミリオネア』(上演台本・作詞・演出)『ザ・ビューティフル・ゲーム』(上演台本・演出)の成果により第48回菊田一夫演劇賞を受賞した瀬戸山が、新生『ボニー&クライド』に挑む。
ギャングスターカップルのクライドとボニーはそれぞれWキャストが決定。クライド役には柿澤勇人と矢崎広。ボニー役には桜井玲香と海乃美月。海乃は宝塚歌劇団月組でトップ娘役を約3年務め、今年7月に退団。本作が退団後第1作となる。
クライドの兄・バック役には小西遼生、その妻ブランチ役には有沙瞳。ボニーに想いを寄せる幼馴染の保安官テッド役は、吉田広大と太田将熙がWキャストで演じる。さらに、ボニーの母・エマ役は霧矢大夢、クライドとボニーを追う保安官でテッドの上官であるシュミット保安官役は鶴見辰吾が務める。
上演台本・演出の瀬戸山は「ボニーとクライドの閉塞感は、格差が拡大した現代日本においてもリアリティを持っています。彼らは犯罪者ですが、全身全霊で『ここにいる自分たち』を表現しています。フランク・ワイルドホーンの楽曲が彼らの現実と夢のコントラストを鮮やかに描くこの作品を、エネルギーに満ち溢れた俳優のみなさんと一緒に旅するのがとても楽しみです」とコメント。
柿澤は「作曲のフランクとは、数年前『デスノート』という作品を一緒に創った際に『カキ、クライドをやらないか、ピッタリだよ!』と言って頂いたのを鮮明に覚えています」と振り返り、矢崎は「心強いキャスト・スタッフの皆様と共に、自由を求めて駆け抜けた彼らに負けないようなミュージカルをお届けできれば」とメッセージ。
桜井は「ボニーの理想や現実との葛藤や、恋人を信じる気持ちなど、大胆さの中にある揺れる思いなども大切に演じられたらと思っています」とし、海乃は「宝塚歌劇団退団後初めての舞台となりますが、新たな一面をお見せ出来ますよう全力で挑戦させていただきます!」と意気込みを語っている。
ミュージカル『ボニー&クライド』は、東京・シアタークリエにて2025年3月10日~4月17日上演。ほかに大阪、福岡、愛知公演を予定している。
※キャストコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■瀬戸山美咲
90年前にアメリカで実際に起きた出来事が映画になり、舞台になり、いまも上演され続けている。ボニーとクライドの閉塞感は、格差が拡大した現代日本においてもリアリティを持っています。彼らは犯罪者ですが、全身全霊で「ここにいる自分たち」を表現しています。フランク・ワイルドホーンの楽曲が彼らの現実と夢のコントラストを鮮やかに描くこの作品を、エネルギーに満ち溢れた俳優のみなさんと一緒に旅するのがとても楽しみです。
■柿澤勇人
久しぶりにミュージカルに挑戦します。
作曲のフランクとは、数年前『デスノート』という作品を一緒に創った際に「カキ、クライドをやらないか、ピッタリだよ!」と言って頂いたのを鮮明に覚えています。
そして2年前、『ジキル&ハイド』の初日を迎えた直後にも、楽屋に飛び込んでくるやいなや「クライド!!」と言われました。いや、今俺はジキルとハイドなんだけどなあ、、、と思いながらも嬉しかったのを覚えています。『俺たちに明日はない』も勿論観させて頂いていますが、とにかく動物的な匂いと、論理ではない、言葉では言い表せない感覚的な何かを感じた覚えがあります。良い舞台になるようがんばります。
■矢崎広
1930年代世界恐慌下のアメリカは個人的にとても興味深い時代です。様々な事が変わり人々が混沌としていく中で、アンチヒーローと語り継がれる2人の刹那的な人生。
挑んでみないと分からない事も多々ありますが、Wキャストの柿澤君、演出の瀬戸山さんをはじめ、心強いキャスト・スタッフの皆様と共に、自由を求めて駆け抜けた彼らに負けないようなミュージカルをお届けできれば。「ボニー&クライド」皆様どうぞよろしくお願いします。
■桜井玲香
多くの支持を得たアンチ・ヒーロー。響きから既にかっこいい…。
そんな2人の片割れを演じられることが今からとても楽しみです。
ボニーの理想や現実との葛藤や、恋人を信じる気持ちなど、大胆さの中にある揺れる思いなども大切に演じられたらと思っています。
■海乃美月
ボニー・パーカー役を演じる貴重な機会をいただけてとても光栄です。
彼女は愛と夢を求め、強い意志を持った魅力的な女性です。彼女の内面の葛藤や情熱を表現できたらと思います。
ワイルドホーンさんの素晴らしい楽曲に触れながら、Wキャストでご一緒する桜井玲香さんをはじめ、尊敬する皆さまと共に素敵な作品を作り上げていきたいです。
宝塚歌劇団退団後初めての舞台となりますが、新たな一面をお見せ出来ますよう全力で挑戦させていただきます!