エマ・ストーンが主演するヨルゴス・ランティモス監督の最新作『憐れみの3章』より、ストーンの華麗なヘアメーク3変化を捉えた新写真が解禁された。
【写真】最新作から過去の名作まで! エマ・ストーンの個性派ヘアスタイルを写真で振り返る
本作は、選択肢を取り上げられた中、自分の人生を取り戻そうと格闘する男、海難事故から帰還するも別人のようになった妻を恐れる警官、奇跡的な能力を持つ特別な人物を懸命に探す女、といった3つの物語で構成される。
ランティモス監督とは『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』に続き、3度目のタッグとなるストーンは、今作では1つの作品の中3つの異なるキャラクターを演じる高難度の演技に挑戦。第1章でジェシー・プレモンス演じるロバートが出会う女性リタ、第2章でジェシー・プレモンス演じる警官ダニエルの妻リズ、第3章で卓越した宗教指導者になるべく運命付けられた特別な人物を探す女エミリーを演じている。
ストーンは「別の作品を終えたばかりで、髪がすっかり焼けてしまっていました。それで『もっと潤いのある髪にしよう』ということになり、ブロンドに染めて、バッサリ切りました」と、現代劇となる本作の撮影にあたって大胆なヘアスタイルのチェンジを行っていたことを明かしている。
第1章では、豊かなブロンドの髪がゴージャスなリタ、第2章では髪をラフに結わえて飾らない献身的な妻のリズ、第3章では、肩までのボブヘアできっちりとした印象のエミリーという3役を見事に表現したストーン。メーキャップ部門責任者のジェシカ・ニーダムいわく、ストーンはビジュアル作りにおいても「リスクを冒すことをいとわない」そうで、「『何でも来い』なのです」と彼女のより高みへ登らんとする俳優としての知られざる一面を明かしている。劇中、ストーンが見せる華麗なる3変化は見どころだ。
ランティモス監督とタッグを組んだ過去作についても、ストーンのヘアスタイルを振り返ってみよう。
『女王陛下のお気に入り』では、上流階級への返り咲きを狙う野心的な女性アビゲイルを演じたストーンは、ほとんど素顔の状態で登場している。ヘア&メーキャップデザイナーのナディア・ステイシーは「(ストーンをふくむ)主役3人はほとんどメイクをしていません。最小限に施されたメイクをさらに落とすよう、指示を受けることが度々ありました」と当時の撮影を振り返っている。
さらに、自然体を好むランティモス監督によって「すべてのカールがまとまった完璧なヘアスタイルをランティモスは好まず、彼は私が整えたヘアスタイルをよく指でつついていました」という裏話も。ヘアメークにおいてもランティモス監督のこだわりが十分に発揮されており、愛憎を内に秘めた生々しさを感じられるストーンをアビゲイルを通してみることができる。
『哀れなるものたち』では、ストーン演じるベラは、作中の時代の中で女性に期待されるあらゆることに完全に背を向ける存在として描かれている。ベラの長くおろされた美しい黒髪はその象徴の1つで、自宅以外ではアップスタイルにすることが女性に求められる社会においても、そのしきたりに染まることがない自由さを体現したものだ。
そのことがベラをより魅力的にしており、社会的な制約から自由であろうとすることをストーンは「純粋さや、汚れのないものに対する憧れです。かつての自分を思い起こさせるような何か、自分自身の中にある純真さを取り戻そうとする願望なのです」と回想している。
映画『憐れみの3章』は公開中。