宗教勧誘は、いかにも自然な流れで行われることがほとんどだ。特に職場では疑うこともなく流れに乗ってしまう恐れがある。愛知県の20代後半の女性は大学時代に塾講師のアルバイト先で宗教勧誘された。事務の人から、ある宗教関連の会に誘われたが、
「普通のキリスト教の教会で牧師さんか神父さんの話なのかと了承しました。甘かった」
と振り返った。一体何があったのか。(文:長田コウ)
「確かに聖書の勉強会……は最初だけ」
女性は当時、こんな言葉で誘われたという。
「聖書の教えをわかりやすく解説する会があるんだけど、会に入らなくてもいいし、教会にいくと悩みも聞いてもらえるし、すっとするんだよ」
そこで不審に思わず承諾したものの、後にその判断を激しく後悔することになる。迎えた当日、女性が連れて行かれたのは「公民館のような所」だった。
「確かに聖書の勉強会……は最初だけ。ナントカ伝なんとか章を1人が朗読して、主の教えスバラシーとなった後は、私をターゲットにフルボッコで勧誘をしてきたのです」
勧誘の内容は、以下の通りだった。
「お布施をすればするほど現世の罪を拭えるとか、入信しないと地獄行きだとか、この特別な聖書を購入すれば主の教えがすらすら頭に入るとか」
その特別な聖書の値段は、なんと「2万円」。学生に売るなど信じられない価格だ。「しまった」と感じた女性だが、「帰る」と言っても、出入口を人が塞いで帰してくれなかった。
途方に暮れた女性は「トイレに行く」と言うも、考えていることはお見通しだったようだ。
「傍に置いてあったカバンをすっ、と抱えられ『荷物は置いていっていいですよ』と言われました。人質ならぬかばん質です」
入信しないうちは帰さないという雰囲気で、完全に軟禁状態だ。【後編へ続く】
キャリコネニュースでは「職場で宗教勧誘されたことある人」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/68399KNQ