岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)の2連勝/2024全日本ロード第6戦オートポリス 毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。今回は9月7~8日に開催された第6戦オートポリスです。
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当ブログをご愛読の皆様、残暑が厳しいですが、いかがお過ごしでしょうか?
其の壱はご覧いただけましたでしょうか?
続いてオートポリス編其の弐となります。
JSB1000ではひとつの事件が起こったと思っています。
私の推し、岡本裕生選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)が2連勝しました!
2023年の最終戦の鈴鹿ラウンドでも水野涼選手(当時、Astemo Honda Dream SI Racing)が2連勝していますが、うち1戦は絶対王者の中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が欠場していましたので、今回は少々意味合いが異なると感じています。
岡本裕生選手は先日お父さんを亡くされたばかりということで、心情的にも大変だったとは思いますが、困難をはねのけて2連勝。
そのお父さんとはちょっとしたエピソードがあります。
2017年シーズン、ST600参戦1年目(全日本2年目)の時、お父さんとお話する機会があったのですが、「岡本選手は自ら行動して51ガレージチームイワキST600のシートを掴んだと聞きました。私が16歳だったとき、そんな大胆な行動できません。本当に脱帽です」と伝えたところ……
お父さんも「僕もその年齢の時にはそういう行動はおこせなかったと思います。すごいですよね」と驚いていたのと同時に息子の成長を喜んでいたように思います。
岡本裕生選手の成長についてお話できず仕舞いで非常に残念です。
せっかくの機会なので、私が持っている岡本家の写真を掲載させていただきます。
いつのシーズンだったか、岡本裕生選手が「中須賀克行選手に対抗できそうなのはSUGOしかない」と話してくれましたが、オートポリスで中須賀克行選手を抑えて堂々の2連勝を飾り、今シーズンのシリーズチャンピオンが見えてきました。(現在3勝でランキング2位)
選手の成長を間近で感じられるのは、長い期間この仕事に携わってこられたご褒美だと思っています。
私に子供はいませんが、親というのはこのような心境なのだろうなぁと非常に感慨深いです。
余談ではありますが、中須賀克行選手にも個人的に拍手を送りたいと思います。
勝てなかったときの記者会見では、悔しさをにじませたコメントをする中須賀克行選手(コメントは写せないのが残念です……)。
いつだったか、岡本裕生選手が勝った時に「先輩として、嬉しい気持ちもありますか?」という質問に対して「嬉しくないです。勝てなかったので」と……
この勝利への貪欲さが「絶対王者」と言われる所以なんだろうなと再認識した瞬間でした。
地元の九州で勝てずに、非常に悔しかったと思いますが、表彰式ではファンに応えてこの笑顔。
プロフェッショナルだと思いました。
2024年シーズンのチャンピオン争いは、ドカティで初勝利を挙げた水野涼選手との三つ巴。
今シーズンはどのようなドラマが待っているのでしょうか?
今回のオートポリスラウンドでは辛い事故があり、いたたまれない気持ちのままの執筆となってしまいましたが、「普段通り」が最善ではないかと思い、いつもの調子で執筆しました。
芳賀涼大選手(WORK NAVI NITRO RACING)のご冥福を祈りつつ、次回作もお待ちいただければ幸いです。