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KeePerが選手権4位に浮上する連続表彰台。後半に巻き返しと見せ場を作った大湯都史樹「次戦は優勝必須」

2024年09月26日 18:30  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第6戦SUGO KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)
 9月22日に宮城県のスポーツランドSUGOで行われた2024スーパーGT第6戦のGT500クラス決勝レース。ポールポジションからスタートしたKeePer CERUMO GR Supraは一時中団まで順位を落としたものの、後半に追い上げをみせて連続表彰台を獲得した。KeePerはこの結果、ランキング4位に浮上。レース後、ふたりのドライバーに聞いた。

 週末を通して悪天候に見舞われた第6戦SUGOは、土曜日午後の予選がキャンセルとなったこともあり、午前の公式練習タイムがスターティンググリッドになった。まるでフリー走行とは思えないアタック合戦を制したKeePer CERUMO GR Supraは、今回は正式記録にはならないが、翌日の決勝を2020年第4戦もてぎ以来となるポールポジションからスタートすることになった。

 スタートドライバーの石浦宏明はセーフティカー先導が終了するタイミングで抜群の出だしをみせ、2番手以下とのギャップを広げていく。ただ、10周目を過ぎたあたりからペースが伸び悩み、16周目にはau TOM’S GR Supraに逆転を許してしまう。

 石浦はペースダウンについて「最初、走り出しのペースは良かったですけど、周回を重ねたところでフロントタイヤがけっこう厳しくなり、まったく曲がらなくなってしまいました。おなじような症状のクルマも何台かいましたが、一方でタイヤが元気なクルマもいたので、そこで順位がかなり変動してしまいました」と振り返る。

 防戦一方となったKeePer CERUMO GR Supraだが、雨が上がって路面が乾き始めたことと、42周目にGT300クラス車両がクラッシュしたことが味方に。車両回収のためにセーフティカー(SC)導入を見越したチームは石浦をピットに呼び戻し、スリックタイヤに交換して大湯都史樹にバトンを繋いだ。

 その後チームの目論見どおりSCが導入され、その時点でのポジションは10番手。SC先導で隊列がリセットされたこともあり、後半担当の大湯は「追い上げるシチュエーションはできていたので『いくしかない!』」と思いながら50周目のリスタートを迎える。

 レース再開後は「気合で追い上げ」を披露した大湯は、前をいくau TOM’S GR SupraとENEOS X PRIME GR Supraを立て続けにかわす。さらに前方のMARELLI IMPUL Zに迫ると、59周目の最終コーナーでGT300車両に引っかかった平峰一貴をアウトから豪快にオーバーテイク。2番手までポジションを回復した大湯は、トップのDeloitte TOM’S GR Supraまでは届かなったものの、2位でフィニッシュした。

 雨上がりの難しいコンディションのなか、ドライタイヤで滑りながらもマシンをコントロールし、オーバーテイクを決めて順位を上げる走りは、まさに大湯ならではのパフォーマンス。レース後には「なんとか追い上げることができたので良かったです」と安堵の表情をみせた大湯。ただレース全体のペースは課題が残っていると続ける。

「チームとしては決してベストな状態で走行することはできず、トップから逃げ切るというレースができませんでした。2番手に上がってからもペースが微妙に足りず、37号車(Deloitte)に追いつくことはできなかったので、少し悔しさと課題が残ります」

「ただ、やれるべきことはやれたかなと思いますし、獲得ポイントを伸ばすことができたという部分では、ポジティブだったと思います」

 これで実質的な前戦となる第4戦富士に続いて2戦連続表彰台に立ったKeePer CERUMO GR Supra。ポイントランキングはトップから9点差の4位まで浮上した。大湯は次戦のオートポリスが最重要になると目論む。

「後半戦、次のオートポリスではサクセスウエイトがマックス重量になりますし、オートポリスはウエイト差が出やすいサーキットです。そこまでになんとかランキングを上げることができたので、残りのレースでチャンピオン争いをするためにも、オートポリスはすごく重要になります」

「今回のレースではポールポジションから優勝することができませんでした。その部分の課題をチームと相談し、改善できる部分は改善を行って準備を重ねていきます。ウエイトも重くなりますが、個人的に次戦は『優勝必須』だと思っています」

 今季は2013年以来となるチャンピオン獲得に向けて、チーム体制を大幅に変更したTGR TEAM KeePer CERUMO。第一目標である優勝にはまだ手が届いていないが、連続表彰台と勢いはある。ランキングでもトップとのビハインドは9ポイント、このまま上位で争い続ければ、最終戦ではひさびさに王者を争うCERUMOチームの姿を見ることができるかもしれない。