最近はクレーマー対策を強化する店が増えているが、それでもまだ接客業では迷惑な客に遭遇することが多々あるようだ。
京都府の40代女性が働いている調剤薬局にある日、「クレーマーとして有名」という初老の男性客がやってきた。そして、
「ここで処方してもらった薬が1シート足りなかった」
と薬剤師に激昂した。「ドキドキしながら成り行きを見守っていました」という女性は、その一部始終を明かした。(文:天音琴葉)
「ほなお前はワシが嘘ついてる言うんか!」
この男性客は薬剤師の説明を聞こうとせず、
「命に関わる薬が1シートも足りないとは、どういうことや!と、喚き散らすばかり」
だったと女性は振り返る。防犯カメラの映像を見れば薬を渡したときの状況が確認できるが、スタッフ自身が映像を見られないため、その場は「足りなかったんですね、すみません。防カメで他に入れ忘れてないか確認しますね」と男性客をなだめるしかなかった。
問題の薬は1か月前に処方されたもので、防犯カメラにギリギリ残っているかどうかという状況だった。薬剤師や女性たちスタッフが気を揉むさまが目に浮かぶようだ。一方で男性客はそんなこともつゆ知らず、「さっさとせー!」とブチ切れる始末だった。
結局、防犯カメラの映像は残っていた。確認すると、間違いなく処方箋通り処方し、男性客に渡していたことがわかった。1シート足らないというのは男性客の勘違いだったようだ。
「その旨やんわりとお伝えしましたが、『ほなお前はワシが嘘ついてる言うんか!』とさらに切れ倒し、結果小一時間吠えまくって、『こんないい加減な薬局は二度と来ない!』と帰って行かれました」
と結末を明かした女性。またクレーマーはこの男性客に限ったことではなく、「1日最低1人はこういうクレーマーが来られるので、もはやネタ祭り状態です」とも皮肉った。
クレーマーは論外だが、そうでなくても接客業は人手不足が深刻だ。客の一人一人が「お客様は神様」という意識を変えなければならないときが来ているだろう。
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