場をわきまえず文句を言う人は、店や病院だけでなく教育現場にも現れる。投稿を寄せた30代女性は「モンスターペアレントという言葉が脳裏をよぎった話です」と語る。中学生の子どもの母親で、学校で保護者向けに「不登校や思春期特有な悩みへの対応」がテーマの学習会があり、参加した。
「話自体はためになった」というが、質問の時間になるととんでもない親がいて
「うちの子が友達の教科書を破いてしまったのですが、義務教育の教材なのに弁償させられるのはおかしいと思いませんか?」
と聞き始めた。テーマから逸れた質問に、「講師のスクールカウンセラーさんも困り顔」だったという。(文:篠原みつき)
「先生は予備の教科書をくれればいいじゃないですか!」
スクールカウンセラーは思春期の子どもへの接し方を講義に来たのであり、教科書の弁償うんぬんを訊ねられても困るだろう。そのときは、先生が「その件はまた後で、担任と……」と遮ったが、その母親は納得いかないらしく
「カウンセラーの方に相談してるんです!先生は絶対予備の教科書を持ってるはず。それをくれればいいじゃないですか!」
とヒステリックに言い放ったそう。「モンスターだと思いましたね」と女性は語る。ちなみにカウンセラーの先生は大人な対応で
「『不注意にせよ、わざとにせよ他人の教科書を破ったなら責任をとらないといけないのでは?自分のお子さんが教科書を破られたら、どうなさいます?』とにっこり笑顔でした」
と道徳的な視点から答えた。ところが、その親は「話をすげかえないでください!」という反応だったそう。その他にも、
「全然勉強にやる気を出しませんが、やる気にさせるにはどうしたらいいですか?」
「成績をあげるにはどうしたらいいですか?」
と的外れな質問を続けていた。女性は呆れた様子で
「くどいようですが、カウンセラーさんの話は子どもの不登校や思春期特有の悩みでした。成績の話などしていませんし、スクールカウンセラーはどう考えても、成績アップのために来ているスタッフではないはず」
と当時の苛立ちを明かす。耐えかねた女性は、ついに「子どもが不登校だったり拒食症で、藁にもすがる思いで来ている親もいるので、関係ない質問より、話の趣旨にそった質問を優先させてください。先生、いいですか?」と発言した。保護者に強く出られない先生へ助け舟を出した形だ。
「先生は『そうですね。カウンセラーの先生は、児童や親さんの悩み解決のために来てくれているので、成績の話はやめましょう。それは教師の仕事です』と、ようやく軌道修正したのですが……」
なんとかその場を収めようとした女性の努力も虚しく、恐ろしいことにモンスターはこの人物だけではなかったというのだ。 【後編へ続く】
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