友人の振る舞いがあまりにも非常識だと絶縁に発展することもあるようだ。関東の女性(70歳~)は、20代の頃に友人と絶縁。50年も前の話だが、いまだに忘れられないほど衝撃的なエピソードを打ち明けた。それは、小学校の教師をしていた友人と一緒にフランスに旅行した際のことだ。
「私が止めるのも振り切って、ヴェルサイユ宮殿に自分の名前を落書きしたのです!」
ヴェルサイユ宮殿に限らず文化財に落書きをしては絶対にいけないことに当時も今も変わりない。それも教育者としてあるまじき行為だ。見ていた女性はひどくショックを受けたというが、当然の反応だろう。(文:天音琴葉)
断りもなくクローゼットを勝手に開けて、「これ明日貸して!」
女性は当時、音楽と語学の勉強のためドイツに住んでいた。一方で問題の友人は幼なじみで、「成績優秀で地元のトップの高校を出て国立大学を卒業。そして(小学校の)教師として働いていました」という。そんな彼女から、夏休みを利用して一緒にヨーロッパ旅行をしようと提案してきたのだった。
そして迎えた初日、友人はパリの空港に降り立った。ツアーではなかったため、女性は友人のためにわざわざ空港まで迎えに行き、ドイツの自宅へ招いた。すると何を思ったのか友人は、我が物顔で振る舞ったのだ。
「その友人は、我が家に来ると、日本とは違ういろんな物が珍しい様子で、なんと私に断りもなくクローゼットを勝手に開けて、服を見ながら、『これ明日貸して!』などと言い始めました。これにはびっくり! えっ!と絶句しました」
いくら親しい友人でもクローゼットを無断で開けないだろう。挙句に品定めし、気に入った服は遠慮なく借りるという図々しさに、戸惑った女性の顔が目に浮かぶようだ。
その後、フランス、オランダ、ベルギー、オーストリア、スイス、イタリア、スペインと、2週間かけて一緒に回ったそう。その間にも友人に「いろんな驚きのエピソードがありました」という女性が、なかでも驚愕したのが前述したヴェルサイユ宮殿での出来事だった。
「ヴェルサイユ宮殿での出来事にはショックでした。私が止めるのも振り切って、ヴェルサイユ宮殿に自分の名前を落書きしたのです!自分がそこを訪れた記念に、と言う軽い気持ちでやったのだとは思いますが、仮にも教師という指導的立場にいる人が、とその無神経さに呆れました。その出来事以来、その友人とは絶縁しました」
ドイツで音楽を学び、現在も芸術関係の教室を経営している女性にとって、文化財を傷つける行為は今でも許しがたいものに違いない。この友人は言うまでもなく、絶縁されて当然だっただろう。
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