実質的な後半戦幕開けの一戦、2024年スーパーGT第6戦として9月22日に決勝を迎えたスポーツランドSUGOでの300kmレースは、週末に降り続いたまとまった雨量の影響も受けスケジュールのディレイが相次ぐなか、セーフティカー(SC)先導のもと14番手スタートから大波乱の展開を制した37号車Deloitte TOM’S GR Supraの笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組が、4位入賞を果たした僚友36号車au TOM’S GR Supraとともに、タイトル戦線の中央に躍り出る今季2勝目を飾っている。
ここでトラック上の水量が減ったタイミングを狙い澄ました38号車KeePer CERUMO GR Supraが最速タイムを計時し、結果的に最上位グリッド発進の権利を手にする。さらに14号車ENEOS X PRIME GR Supra、19号車WedsSport ADVAN GR Supraを挟んで、4番手には選手権首位を行く36号車au TOM’S GR Supraがつけるなど、現チャンピオンが悪条件のもと燃料流量2ランクダウンのハンデを跳ね返す快走を披露した。
その一方で、ランキング2位につける100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTを筆頭としたホンダ陣営が集団後方に沈み、同3位のNiterra MOTUL Zはまさかの最後尾となるなど、チャンピオンシップを争う当事者たちは対照的な展開を見せる。
ところどころ大きな水たまりや川の名残が残るも、ダンプ路面と判断したレースコントロールが4周突入時点でリスタートを決断すると、首位を行く38号車KeePer CERUMOの石浦宏明が好ダッシュを見せるなか、グリップの発動が遅れた2番手の14号車ENEOS X PRIME大嶋和也が、みるみる後続に飲み込まれていく。
その背後では、一時19号車WedsSport ADVANも捉えトップ5圏内に進出していたダンロップ装着の64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが、周回数10周を目前に馬の背で17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTに先行を許すと、続くラップでは14号車ENEOS、そして最後尾から早くも大幅ポジションアップを果たした3号車Niterra MOTULにも立て続けにオーバーテイクを許し、高星明誠が接触で軽微なダメージを負いながら、早くも6番手まで這い上がる。
一方で後方からの逆襲を期したホンダ陣営の2台、16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは集団バトルを展開した13周目のターン2でGT300車両と交錯、さらに8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTも16周目に勝負を仕掛けた馬の背のブレーキングで、止まり切れずグラベルへ直進。ともに大きくポジションを失ってしまう。
しかし首位を行く37号車のアレジも反応し、61周目には1分15秒170の自己ベストを更新して反応。その一方、この段階で5番手としていた14号車ENEOS X PRIMEには、福住仁嶺にスイッチ直後のFCYピリオド中にコースオフがあったとしてドライブスルーのペナルティが言い渡されることに。さらにドラマは続き、4番手にいた17号車Astemoにもピット作業時の手順違反が取られる(タイヤの跳ね飛ばし/ドライブスルー宣告は残り6周時点)。