2024年09月21日 10:21 ITmedia NEWS
米Microsoftは、復活するスリーマイル島原子力発電所1号機の電力を独占購入する20年契約を、同発電所を保有する米Constellation Energyと結んだ。Constellationが9月20日(現地時間)に発表した。
規制当局の承認が得られれば、1号機は2028年に再稼働する。
米ペンシルベニア州にあるスリーマイル島原発は、1979年のメルトダウン事故で知られるが、事故を起こしたのは2号機で、1号機は経済的な理由で廃止される2019年まで稼働していた。
Constellationは1号機の改修に16億ドル投じる計画だ。1号機は、80万世帯以上に電力を供給するのに十分な837メガワットのエネルギーを生成できる。
Microsoftは米OpenAIに出資し始めたころからAIにシフトしている。AIのトレーニングと実行には膨大なエネルギーが必要だ。
Microsoftは2020年、2030年までに「カーボンネガティブ」になると宣言したが、2024 Environmental Sustainability Reportによると、同社の温室効果ガス(GHG)排出量は2020年から毎年増加している。
AIにシフトしている米Googleも7月、AIの急速な発展と需要増加により、2030年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという目標の達成が困難に直面していると報告した。
Microsoftのエネルギー担当副社長、ボビー・ホリス氏はこの契約の発表文で「この契約は、カーボンネガティブを目指すわれわれの取り組みを支える、電力網の脱炭素化に向けた取り組みにおける大きな節目だ」と語った。