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【陸上】不破聖衣来、4カ月ぶりレースは7位も“笑顔” 将来の五輪出場は「夢であって目標」

2024年09月19日 21:47  日刊スポーツ

日刊スポーツ

女子1万メートル決勝、レースを終え笑顔を見せる不破(撮影・垰建太)

<陸上:日本学生対校選手権(日本インカレ)>◇第1日◇19日◇神奈川・川崎市等々力陸上競技場◇女子1万メートル決勝



女子1万メートルで日本歴代3位の自己記録(30分45秒21)を保持する不破聖衣来(21=拓殖大4年)が日本インカレで同種目に出場し、33分12秒79(速報値)で7位となった。5月の関東インカレ以来、約4カ月ぶりのレースを笑顔で駆け抜けた。「順位やタイムは悔しい気持ちがありますが、このレースまでの練習の過程を考えると、自分の中では納得のいくレースになりました」と振り返った。


スタート直後に先頭へ出ると、1000メートルあたり3分10~20秒前後でペースを刻んだ。8000メートル過ぎまでトップで引っ張り、優勝した小川陽香(立教大)とは8秒25差でゴール。「今回は駅伝に向けて、自分自身にもチームにも自信がつながる走りをするという目的があった。その結果があの走りになった」と明るい表情を見せた。


不破は拓大1年時だった21年10月の全日本大学女子駅伝5区で区間新記録を樹立。鮮烈なデビューを飾ると、同12月に1万メートルで30分台に乗せ、同下旬の富士山女子駅伝でも5区で区間新記録を打ち立てた。その後は故障の影響もあり、本来の走りが影を潜める時間が続いた。22年10月の全日本大学女子駅伝5区で区間賞獲得後は実戦から遠ざかり、駅伝への区間エントリーからも外れていた。


ただ、大学ラストイヤーとなった今季は、4月の国士舘大競技会混合5000メートルで約1年6カ月ぶりに復帰。同5月の関東インカレでは33分40秒20で9位となっていた。


今夏のパリオリンピック(五輪)の出場はかなわなかったが、特に女子マラソンの最後の競り合いや6位入賞した鈴木優花の力走が印象に残ったという。「自分が4年後に五輪に出た時にどういう走りをするか、イメージが持てた。陸上をやっていく上で五輪出場は夢であって目標。そこはしっかり目指していきたい」。来年9月の世界選手権東京大会や28年ロサンゼルス五輪へ「いきなりマラソンは体が追いつかないところもあると思う。欲張らずに今できる練習を積みながら移行していきたい」と見据えた。


今後は10月27日の全日本大学女子駅伝(宮城)での活躍を目指す。大学4年間を「ケガの多い4年間だったけれど、1回1回のレースをしっかりかみしめて走れている」と振り返り、駅伝シーズンへ「今年は優勝を目指して頑張っているので、最後まで諦めずに目指したい。自分が拓大のエースとして引っ張っていかないといけない。今日の結果では力不足だと思うので、残りの期間で調子を合わせていけるように、これからの期間を大事に過ごしていきたい」と誓った。【藤塚大輔】


◆不破聖衣来(ふわ・せいら)2003年(平15)3月25日、群馬県高崎市生まれ。高崎健康福祉大高崎高から21年4月に拓大へ進学。無敗の3冠馬ディープインパクトと同じ誕生日(02年生まれ)。陸上を始めたきっかけは、小学校の持久走のため、祖父と姉と毎朝練習したこと。5年から本格的に練習を始めたが、当時のメインはミニバスケットボール。1万メートルの自己記録は30分45秒21。