上司や会社からとんでもない指示を下されたとしても、従ってしまうのがサラリーマンの悲しき性だ。しかしだからと言って、不正に手を染めてはいけない。
大阪府の50代男性は、かつて大手新聞社の販売店で店長をしていた。この仕事を辞めようと思った出来事を次のように明かした。
それは、ライバル紙の販売店に営業をかけられ、購読者を取られたときのこと。焦ったであろう店主から受けた指示が衝撃的だった。(文:天音琴葉)
「呼び出されて誰がそれを命令したのかになり……」
おそらくライバル紙はビール券や商品券、米などの粗品を配り、あの手この手で営業をかけたのだろう。これらの金額の上限は業界団体によって決められているが、渡す行為自体は問題ではない。一方で店主から男性に下された指示とは、
「その家の息子になりすまして契約のクーリングオフするように」
というものだった。当然だが本人になりすましての行為は無効である上に、罪に問われる可能性もある。だが男性は店主に抗えなかったのか、「それを実行しました」とし、その結果、
「その家の息子さんが店に電話をかけてきて騒動になり、呼び出されて誰がそれを命令したのかになり……」
と大事に。それにもかかわらず男性は、店主の命令だと言えなかったそう。このときはまだ販売店を辞めようと思っていなかったのだろうか。
「『自分がした』と言い、息子さんが激怒した時、もうこの店を辞める決心が付きました」
この店主の下で働き続けることに、さすがに限界を感じたのだろう。そんな男性は現在、施設警備の仕事に就いているそう。上司に恵まれているといいのだが。
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