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埼玉の情報誌、表紙に致命的ミス発見と思いきや… 「池袋は埼玉の領土」と証明されてしまう

2024年09月18日 05:30  Sirabee

Sirabee

(©ニュースサイトしらべぇ)

関東地方において「町田市は神奈川県」という説と並んでよくネタにされるのが、「池袋は埼玉県の首都」という説。

以前X上では、この説を裏付ける驚愕の資料が発見され、世間に衝撃を与えていたのをご存知だろうか。

■埼玉の情報誌、と思いきや…

ことの発端は、不動産仲介業を営む「株式会社すんで」のX公式アカウント・すんで埼玉が投稿した1件のポスト。

「写真池袋やんけ!!!」とだけ綴られた投稿には、住宅情報サイト・SUUMOのフリーペーパーの写った写真が添えられている。一見するとなんの変哲もない光景だが、こちらの表紙をよく見ると…。

なんと「埼玉40駅価格MAP」と大きく記されているにも関わらず、ブリリアタワー池袋が印象的な「池袋の夜景」の写真が大々的に使用されていたのだった。

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■「池袋は埼玉ですよ…?」の声続出

池袋と言えば、新宿、渋谷と並ぶ東京の3大副都心の一角。

令和の現代では「女性オタクの聖地」というイメージが強いが、90年代はヤンキー漫画『ろくでなしBLUES』に登場する東京四天王・葛西のホームグラウンドであったり、幅広いメディアミックスがなされた『池袋ウエストゲートパーク』の舞台であったため、そうした印象の強い読者も多いことだろう。

そして池袋の話題においてよくネタにされやすいのが、「池袋を歩いている人物の大半は埼玉県民」というもの。

実際、池袋はJR東日本の埼京線、湘南新宿ライン(高崎線、宇都宮線)、東武鉄道の東上本線、西武鉄道の池袋線が乗り入れているため、埼玉からのアクセスがべらぼうに良い。

こうした背景もあって「埼玉県民は池袋で遊びがち=池袋を歩いている人物の大半は埼玉県民」という、あながち間違いではない説が提唱されるようになったのだ。

そのため「埼玉」を冠しているにも関わらず、池袋の写真を表紙に使用したフリーペーパーの存在は瞬く間に話題に。件のポストは、投稿からわずか数日で1,000件近くものリポストを叩き出していた。

Xユーザーからは「埼玉県池袋市ですから…」「え? 池袋は埼玉ですよ」「既に池袋は、埼玉に割譲されている…?」「池袋は埼玉県の庭だから…」「池袋は埼玉に侵略されました」など、過激な意見が多数寄せられている。

そこで、埼玉の土地事情に精通した「株式会社すんで」代表取締役・岡野周平氏に同表紙の意図を分析してもらったところ、「池袋は埼玉の兄貴的な存在、みんな大好き池袋、とにかくみんな池袋が大好き」と、じつに奥深いコメントが得られた。既に骨の髄まで、池袋に侵食されてしまったのだろうか…。

続いては、SUUMOを運営する「株式会社リクルート」に、表紙の真相について取材を実施することに。すると、納得の舞台裏が明らかになったのだ…。

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■岡野氏の分析、儚く崩れ去る…

写真池袋やんけ!!! pic.twitter.com/TWukIqfQcD

— すんで埼玉 (@sunde_saitama) July 3, 2024

話題のフリーペーパーの詳細について、リクルート担当者は「首都圏各駅の、新築マンション価格相場を紹介する目的の特集です。各駅からアクセスしやすいターミナル駅までの所要時間と併せてご紹介しています」と、説明する。

この「首都圏各駅」は一定期間内に一定戸数以上の新築マンション供給実績があった駅を対象に価格を集計したもので、今回は首都圏246駅の価格相場を掲載していたという。

「豊島区庁舎」(ブリリアタワー池袋)周辺の池袋の街並みが写った写真が採用された経緯について、担当者は「埼玉県内の各駅は池袋駅までの所要時間をご紹介させて頂くケースが多く、埼玉県在住の方にとって池袋は『利用しやすい都心ターミナル』にあたると考えています」と説明する。

続けて「そのため、埼玉県でマンションを購入して暮らす場合の『広域生活圏』のようなイメージとして、池袋の街を表紙ビジュアルとさせて頂きました」「一般論ですが、マンション価格は都心ターミナル駅までの所要時間(アクセスしやすさ)が相場にも影響しますので、その発着点となる都心ターミナルであることを念頭にご覧頂くと、『価格マップ』の意味合いもご理解頂きやすくなるのでは…という趣旨もございます」と、その背景を丁寧に補足してくれた。

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■「千葉県」特集で表紙に現れたのは…

ちなみに、こちらの「価格マップ」はSUUMOフリーペーパーにおける人気特集。

過去にも同特集の掲載時に池袋の街並み写真を表紙にした実績があるそうで、担当者は「他に千葉版でも、同様の趣旨により『秋葉原』を表紙ビジュアルにしたこともございます」とも説明していた。

こうした現象は埼玉や千葉に限った話でなく、全国の他の地域でも見られることだろう。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)