ギャンブラーは何かと験を担ぎたがるものだ。些細なオカルト、ジンクスに行動を左右されることも珍しくない。
自分で編み出したオカルト的な打法を誰しも試した経験がある。そういう人たちだからしばしば攻略法詐欺に引っかかることもあるんだけど、実害がなく、自分が楽しむためだけに考案したマイオカルトに関しては、それも込みで博打の醍醐味みたいな部分はある。
今回はそういった、ギャンブル依存の人たちが誕生させた面白マイオカルトの話をしていきたい。(文:松本ミゾレ)
ギャンブラーは当たりを引き寄せるために変なルーティーンに頼るもの
さて、5ちゃんねるに先日「【パチンコスロット】お前らのマイオカルト挙げてけ」というスレッドも立っている。ここに津々浦々のギャンブラーたちが考案した変なオカルトについての書き込みがある。
まずはスレ主の書き込みから、ちょっと引用させていただきたい。
「パチンコでロングST中残り5回転以内に当たると爆連率あがる」
全くの気のせいではあるんだけど、この人はパチンコでSTが残り僅かになって当たると、そこから連チャン率が上昇すると考えているようだ。そんなことはないんだけど、要はSTが駆け抜けそうになったギリギリで当たると、なんか息を吹き返したような気がして、気持ちを切り替えることができるんだろう。
これも立派な(立派な人はそもそもパチンコをしないが)マイオカルトと言えるだろう。
で、次からはこのスレッドに寄せられた別のネットユーザーからのコメントも紹介したい。
「CZ中は目をガン開きして液晶を見つめる」
「監視カメラに一礼」
「大勝した次の日は行かない」
「ST中常に右打ちじゃなくて少し止めたりしてストローク変えとる。常に同じようなタイミングで保留貯まると乱数偏りそうでな」
なんというか、オカルトを信じない人からすれば「馬鹿か」って言われるに決まってるような、見事なオカルト打法ばかりである。恐らくそれぞれに手持ちのオカルトが奏功したことがあって、それで習慣になっているんだろう。
パチンコ、パチスロ打ちというのは人生を損して刹那的な大当たりの興奮を取るようなバランスの悪い生き物なので、マイオカルトの研究にも余念がないのである。
オカルト打法で勝てたら世話ないが、オカルト打法で勝てたらなんか嬉しいんだよね
僕個人は、本当に効果があるオカルト打法もなければ、現在は本物の攻略法なんかも存在しないと思っている。ただ、普通に大当たりを消化していても、なんかつまらないというかなまじやらされていることは他の遊技客と同じなので、飽きてしまうことも。そういう状態を克服するためのスパイスとして、恥ずかしながらマイオカルトを駆使することがある。
繰り返しになるが、オカルト打法なんてものは個人の気休めであって、マジでやってもやらなくても出玉率に影響はないんだけどね。
それでもやるんだよね、なぜならパチンコホールに通っているような人間だから。
たとえば以前、ウルトラマンのパチンコにハマっていたときは、連チャン3回区切りで一旦離席していた。この理由は簡単。ウルトラマンは地球上では3分間しか活動できない。僕はこの3分間。1体の怪獣を撃破するまでがおおよそ1分と考え、3戦1セットでインターバルを入れていた。
つまり、3連ごとに一度宇宙に帰ってもらって、そこからまた帰ってきたウルトラマンにバリバリ働いてもらおうと考えていたわけだ。原作を知る人間ならではの、実に合理的なシステムである。まあ、結果はお察しなんだけどね。
それから、パチンコホールにいる間は絶対に落とし物を拾わないようにしている。これは、落とし物を拾うことでツキがそっちに逃げてしまうことを嫌っているためだ。ましてそれが財布だったりしたら目も当てられない。そんなもんを拾ったら、財布を落とした本来の持ち主の不運が自分に伝染する……という理屈を構築していたのである。
もちろんガチでそう妄信しているわけじゃないんだけど、ちょっとしたタイミングでヒキが変わるぐらいのことはあるだろうから、落とし物について自分が拾うことは決してせず、店員さんに指差して教えるようにしている。絶対無意味なオカルトだけどね。
あと、知り合いはパチンコをする前に、イチゴを食べると言っていた。理由はイチゴは1と5という奇数で構成された名称だから。つまり確変図柄に採用されている1と5がめでたい数字なので、イチゴを食べているわけだ。
それでもイチゴなんてそうそういつでも手に入るものではないので、そういう時はコンビニでイチゴ味の何かを購入するのだという。ちなみにこの知人は借金が120万円ある。
みんなもオカルトを考案して楽しむのもいいけど、借金してまでギャンブルするのだけはやめようね!