FANTASTICS・八木勇征が単独初主演する映画『矢野くんの普通の日々』より、八木、池端杏慈、中村海人(Travis Japan)らが役柄に真摯に向き合う撮影現場レポートと場面写真が到着した。
【写真】超不運体質・矢野くん(八木勇征)がボロボロに! 場面写真ギャラリー
田村結衣の人気漫画(講談社「コミックDAYS」連載)を映画化した本作は、毎日なぜかケガをしてしまう“超不運男子”矢野くんと、優しすぎるクラスメイトたちの初めてだらけの夢のスクールライフを描くミラクルピュアラブストーリー。監督は『午前0時、キスしに来てよ』『なのに、千輝くんが甘すぎる。』などの胸キュン作品を手掛けてきた新城毅彦。
超不運体質の高校生・矢野剛を演じるのは、映画単独初主演を飾るFANTASTICSの八木勇征。矢野くんをほっとけなくなる超心配性なクラス委員長・吉田清子役には、実写映画初出演となる池端杏慈(いけはた・あんじ)。そんな吉田さんに想いを寄せるスポーツ万能な学校一のモテ男子・羽柴雄大役を、Travis Japanの中村海人が務める。
3月下旬、関東近郊の某高校で撮影されたのは、矢野くんが吉田さんへの気持ちを自覚し、授業中にふと告白するという序盤の大事な場面だった。教科書を忘れてしまった矢野くんが、隣の席の吉田さんと机をくっつけ、見せてもらうカットへ。2人の間に、なんとも言えない緊張感が走る。これだけでもかなり甘酸っぱいが、ノートを取ろうとした吉田さんの肘が矢野くんの肘に当たって「あっ…」となったり、見ているだけで身悶えさせられる2人の時間を、八木と池端が丁寧に演じていく。
普通の学園ドラマならこのまま一気に2人の胸が高鳴っていくのだろうが、そこは超不運体質の矢野くん。ドキドキする気持ちに動揺し、ノートで指を切るという地味に不運なくだりも。その流れで吉田さんが矢野くんに絆創膏を貼ってあげるカットも本作ならでは。そんな矢野くんの視線が吉田さんの視線とふと絡み合い…。「好きです」と思わず口にする矢野くんを、八木が絶妙な間と共に演じる。そのピュアさゆえに、ともすれば何を考えているのかちょっとわからなくもなる矢野くんならではの空気感も、八木は繊細に表現。突然の告白にたじろぐ吉田さん=池端のリアクションもキュートだ。
矢野くんを演じる八木は、「矢野くんはとてもピュアですよね。安全欲求がとても強く、ケガやアクシデントから身を守りたい思いが強すぎて、ほかの欲求にまで気持ちが行かないんですよね。でも、吉田さんや大切な仲間と出会い、変わりたいと思うようになっていく。矢野くんが本当に実現したかった日々を、この撮影期間で経験することができたと思っています」と話す。
吉田さんを演じる池端は、「撮影現場では、自分と清子ちゃんの関係を深めていきたいなと思っていました。清子ちゃんは何事にも全力で真面目で、一生懸命な子。特に、矢野くんに対しては常に全力です。そんな清子ちゃんが矢野くんに対して持ついろんな気持ちを理解しながら、役作りをしていきました。私と清子ちゃんが似ているのは、心配性な部分です。私もすぐ、家族などに対して『大丈夫?』と聞いてしまったりするので。そういった自分と、清子ちゃんを照らし合わせることはあったと思います」と明かす。
そして、教室内の少し離れた位置には、挙動不審な2人を複雑そうに見つめる羽柴くんの姿も。この羽柴くんの存在も、矢野くんと吉田さんの淡い恋模様に絡んでくる。通常、恋敵に邪魔されたり、いじわるされたりするストーリーが多いが、本作には悪い人やいじわるな人が一切登場しない。みんな他人想いでみんな優しい。
そんな登場人物たちを通して描かれる物語は優しく素敵な方向へ。それは撮影現場の空気ともリンクしていて、キャストたちは撮影の合間に集まって談笑をしたり。特に同い年の八木と中村はクランクイン後すぐ意気投合したようで、この日も現場のムードメイカーに。温かい空気の現場で楽しそうにするキャストたちが、この優しい物語の大事なピースになっている。
中村は羽柴役を演じて感じることがあったそう。「羽柴は勉強もスポーツも、なんでもできる人。正直、僕に似ていると言いたいところですけど(笑)、普段の僕とは違うキャラとして向き合っていきました。それに、羽柴はとことんいいヤツで、すごく優しいんです。自分の恋をどこかしら諦めきれない感じがありながらも、好きな子の恋を応援するような瞬間があったりします。『俺、何やってんだろう?』というセリフがあるんですけど、本当にちょっと思いましたもん。でも、矢野のことを知って、彼とも距離が近くなる。それも1つの青春なのかなと思いました。そういったことに対する戸惑いも含めて、すごく可愛いキャラクターです」と話す。
共演者について八木は、「池端さんはとてもフレッシュでした。キラキラしていて眩しくてすごく真面目な方です。撮影が始まって間もない頃、とある大事なシーンを撮ったんですが、そのときにあらためて“吉田さんを演じるのは池端さんしかいない!”と思いました。とても頼もしい存在です」と話す。
また、「羽柴役の(中村)海人くんとは同い年で、僕は親しみをこめて『うみちゃん』と呼んでいて、彼とは地元もほぼ同じで近しいものを感じています。ライバル役ではありますが、僕は羽柴くんと矢野の関係も好きです。矢野は羽柴くんのことが友達として好きだし、羽柴くんも矢野を気に掛けている。そんな2人の関係も見どころだと思います」と話す。
4月上旬、鎌倉市内の某所で撮影されたのは、まさに矢野くんの超不運体質を物語るシーン。普通に下校していた矢野くんが平坦な道でコケる、道端の標識にぶつかる、自分の学生鞄につまずく、道脇の用水路に落ちる…いつの間にかボロボロになってしまう矢野くんの“日々”が見られる冒頭間もないシーンだ。
「こういうのは大胆にやってなんぼですからね!」と笑顔を見せつつ、最後は水の冷たい用水路に見事ぽちゃり。不運男子ぶりを豪快に熱演した後、何事もなかったかのようにスタスタ歩く姿まで不運慣れした矢野くんらしさたっぷり。怪我の絶えない矢野くんには、絆創膏や包帯が毎日の必須アイテムであり、撮影現場には多種多様な絆創膏や包帯が大量に待機。シーンの状況に合わせ、それらを八木に装着するのも撮影の通常プロセスとなっていた。
アクシデントに見舞われるシーンの大事なポイントについて八木は、「いかに自然に見せられるかだと思います。矢野くんにとっては初めて起こることじゃなく、日常の一部にあることだと意識して演じました。“あ、まただ…”みたいな。新城(毅彦)監督もおっしゃっていたんですが、“あ、またいつも通り起きちゃった”という感じが矢野くんらしさなんです」と振り返る。
撮影現場には、映画単独初主演の立場と真摯に向き合う八木の佇まいもあった。「グループ活動をしている時はおっとりした印象もありますが、撮影現場ではリーダーシップを発揮し始めて。すごく頼もしかったですね」と小川プロデューサー。池端ら10代のフレッシュなキャストが顔をそろえる現場のリーダーを率先して務め、キャスト同士を繋ぐ役割も積極的に果たしていった。
そんな八木からの提案で、撮影の中盤にはキャスト同士の交流を深める食事会もロケ先で開催された。座長としてみるみる成長していく八木の頼もしさと優しさがキャストにもスタッフにも伝染し、『矢野くんの普通の日々』の“優しい世界”が出来上がる。
映画『矢野くんの普通の日々』は、11月15日より全国公開。