トップへ

全て回収できるの?『呪術廻戦』完結間近ーー虎杖や宿儺に関して残された“謎”をまとめて紹介

2024年09月13日 08:00  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)芥見下々/集英社

※本稿は『呪術廻戦』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。


  およそ6年半にわたって連載が行われてきた芥見下々のマンガ『呪術廻戦』が、9月30日発売の『週刊少年ジャンプ』44号にて完結を迎える。残されているのはあと4話ということで、ここから物語が一気にまとめ上げられていきそうだ。


(参考:【写真】かっこいい!! 『呪術廻戦』虎杖悠仁のPVを始め、コミックの書影など


  そこで今回は、まだ作中で回収されていない謎や伏線をまとめて紹介。初期から現在に至るまでの描写を振り返り、気になる要素をピックアップしていきたい。


  まず主人公・虎杖悠仁に関しては、色々なところに謎が残されている。たとえば単行本24巻に収録されている第215話にて、虎杖の顔を見た宿儺は裏梅に対して「あの播磨」の人物に似ていると発言していた。これは「簡易領域」を編み出した平安時代の呪術師・蘆屋貞綱のことではないかとも考察されているが、真相はいまだ明らかになっていない。


  そもそも虎杖の出自は謎が多く、本来双子として生まれるはずだった宿儺の“片割れ”の魂が現代にまで放浪し、羂索とつがったことがルーツだと説明されていた。つまり母は羂索、父は宿儺の片割れにあたるわけだが、それに加えて蘆屋貞綱の血統も汲んでいるということなのだろうか。


  また虎杖は、東堂葵や脹相などと接触した際、相手に「存在しない記憶」が宿るという描写があったことが印象的だ。これは何らかの能力ではないかと囁かれていたが、2021年放送の『漫道コバヤシ』(フジテレビONE)にて、作者・芥見下々が虎杖の能力ではないと明かしたこともあり、考察が下火になっていた。


  ところがそれから長い時間を経て、第265話にてふたたび「存在しない記憶」を連想させるようなシーンが登場。領域展開を発動した直後、宿儺と共に故郷・岩手の風景を見て回る虎杖の姿が描かれた。


  今の虎杖は「御廚子」と「赤血操術」の術式を使えるものの、宿儺を虎杖受肉時の姿に戻し、故郷の散策に付き合わせたという現象については説明が付かないため、やはり“隠されたポテンシャル”があるのではないか……と想像する読者は多いようだ。


  虎杖の領域展開については、まだその名称も明かされていないので、今後あらためて詳細が描かれることに期待せざるを得ない。


■宿儺や天元に関して残された謎


  それに対して宿儺の側にも、謎めいた描写がいくつかある。まず宿儺という名前自体、古代史に記された鬼神「両面宿儺」に姿形が似ているためそう呼ばれているだけで、本名は明かされていない。


  来栖華に受肉した1000年前の術師・天使は、宿儺のことを「堕天」と呼んでいるが、その名称の由来について描かれたことはない。もしかすると、今後過去編としてそのあたりの掘り下げが行われることになるのかもしれない。


  また第220話では、生前の宿儺が“即身仏”になったものが飛騨霊山浄界に据えられているところが描かれていた。これを宿儺は天元の「皮肉」ではないかと勘繰っていたが、読者に対してはほとんど情報が与えられていないので、想像を掻き立てられてしまう。


  さらに呪術界の大物・天元と諸悪の根源である羂索の関係についても、意味深な描写にとどまっている。天元が羂索のことを「あの子」と呼ぶ一方、羂索も今の天元の姿について皮肉を言っており、2人は旧知の間柄だった模様。そして薨星宮の戦いが決着した際には、羂索は天元の本体に対して「さらば友よ」という言葉を投げかけていた。


  おそらく1000年前からの因縁があると思われる2人だが、その原点としてどのような関係性があったのか、気になるところだ。


  そのほか、第236話の空港シーンにて五条悟がつぶやいた「よくねぇよ 父親のことも……」というセリフも印象的。これは伏黒恵に対して、彼の父・甚爾の話をまだ伝えていなかったことを指しているものと思われる。とはいえ、五条は甚爾の話をあらかじめ家入硝子に言伝しておいたそうなので、伏黒が無事に帰ってきた際には、彼らのやりとりが描かれることになりそうだ。


  また、ちょっとした要素としては、謎の一級術師・宇佐美の存在も挙げられるだろう。この人物の存在が明かされたのは、第253話でのこと。「最強の一級術師は誰?」という問いを向けられた日下部篤也が、「俺と宇佐美以外の誰か」と回答していたのだが、これまで一切名前が出ていないキャラクターだったため読者を騒がせることになった。


  今さら新たな呪術師が本筋に関わってくる可能性は低いように思われるので、もし描かれるとしても、エピローグで少し顔を見せる程度ではないだろうか。同じく本格的に描かれそうにない要素としては、過去に何度か触れられてきた「アイヌの呪術連」なども挙げられる。


  もちろん、作中のすべての情報を事細かに説明するのがいい終わり方とは限らない。すでにメインストーリーに関わる描写はほとんど出揃いつつあるので、あとは作者の匙加減といったところだろう。残り4話でどんな情報が飛び出すのか、要注目だ。


(文=キットゥン希美)