新人が定着するかどうかは、上司や先輩にかかっていると言っても過言ではない。上司に恵まれればいいが、そうでない場合には短期間で辞めてしまうこともあるだろう。茨城県の50代後半の女性は、定着率の低い職場で働いた経験があるそう。20年以上前に派遣社員として勤務した職場で、
「引き継ぎで入った後任が前任者より先に辞めて、半年くらいの間に5人変わるような職場」
だった。まだ仕事が本格的に始まっていない引き継ぎ中に辞めるとはよっぽどのことだ。主な原因は上司にあったようだが、それだけが問題ではなかった。(文:天音琴葉)
「それは俺の担当じゃない」とみんなが言う
派遣されてきた新人がすぐ辞める理由を女性は次のように推測した。
「なぜなら上司が自分のことしか考えないような人で周りもそれに倣ったような職場だから。残業も多いし何かを聞いても『それは俺の担当じゃない』などとみんなが言うような状態。これでは長く働きたいとは到底思わないのでは」
上司だけでなく先輩達までもが面倒見の悪い職場だったようだ。これでは新人が不安になったとしても不思議ではない。一方で投稿者の女性が現在勤務する会社は定着率が高く、
「社内では社員だからとか派遣だからという差別はほとんどなく違いがあるとしたら給与などの待遇面くらい。働きやすい職場です」
と打ち明けた。「いわゆる『変な人・嫌な人』率がかなり低い」そうで、一つ目の職場と違い人間関係にも恵まれている様子。だが、本社の営業部に派遣される新人はすぐ辞めると女性は明かした。
「本社の営業部の事務の人は私もずっとお世話になっており面倒見のいい人ではありますが仕事をしすぎてしまうタイプの人で、また優秀でなんでもすいすいこなしてしまう人です。その人の下に入ったら『私はこの人のようにはできない』『こんなにできない』というような感じですぐに辞めてしまいます」
この先輩の仕事ぶりがあまりにも熱心かつ優秀であるがゆえに、新人は気後れしてしまうのだろうか。女性のようにたまに関わる分には頼りになる良い先輩なのかもしれないが……。
営業部を除くと定着率は高く、社員も「うちはまぁまぁホワイトな会社」と話しているようだ。投稿者の女性も満足していることは次の言葉からもうかがえる。
「特に女性の定着率は高いと思います。私も派遣で(無期雇用)10年以上働いてますが定年まで働きたいと思っています」