2024年09月11日 08:21 ITmedia NEWS
欧州連合(EU)の最高裁判所にあたる欧州連合司法裁判所は9月10日(現地時間)、米Appleがアイルランド政府から1991年から2014年にかけて、違法な税制優遇措置を受けていたという最終判断を下したと発表した。これにより、アイルランド政府は130億ユーロ(約2兆円)の追徴課税を求められることになる。
事の発端は2016年、欧州委員会がAppleに対し、アイルランドにおける子会社の利益に対して、違法な税制優遇措置を受けていたと認定したことにさかのぼる。
欧州委員会によると、アイルランド政府はApple子会社に対し、保有する知的財産ライセンスの使用によって得られた利益を税ベースから除外することを認めていたという。欧州委員会は、この措置がEUの国家補助ルールに違反していると判断した。
この決定に対し、アイルランド政府とAppleは反論し、EUの一審に当たる一般裁判所に提訴。2020年、一般裁判所はApple側の主張を認め、欧州委員会の決定を無効とした。欧州委員会はこれに不服を申し立て、欧州最高裁に上告した。
欧州最高裁は欧州委員会の訴えを認め、アイルランド政府によるAppleへの税制優遇措置は違法との最終判断を下した。欧州最高裁は、アイルランドの税法上、非居住者企業の納税額を計算する場合、子会社が行う活動は、他のAppleグループの企業ではなく、アイルランド以外の場所にある本社といった他の企業体と比較されなければならないと指摘した。
今回の判決は最終判断であるため、これ以上の司法判断は原則として不可能だ。アイルランド政府は、欧州最高裁の判決に従い、Appleに対して130億ユーロの追徴課税を行う義務が生じる。
欧州最高裁は同日、米Googleに対しても24億ユーロの罰金支払いを命じた。