発注者から直接仕事を受ける「元請会社」に比べて、さらにそこから仕事をもらう「下請け」は、どうしても弱い立場になりがちだ。仕事のしわ寄せをすべて押し付けられることもある。埼玉県に住む40代男性(営業/年収400万円)は、「前職ではありますが、請負業務という名の下請けでした」と当時の苦しい状況を語る。
「請負元の会社は残業対策とやらで定時もしくは42時間以内の残業を徹底していましたが、残った業務については請負に丸投げ状態」
つまり働き方改革で残業規制を守るため、自社でこなしきれない仕事を下請けに回していたのだろう。当時働いていたのは「食品製造、食肉加工の工場」だった。(文:篠原みつき)
「言うことを聞かないからこの人を代えてくれ」
男性は元請け会社の会議にも出席していたようだが、
「製造会議において堂々と『間に合わなければ請負先にお願いすることとします』と耳を疑う言葉が飛び交うことが日常茶飯事です」
と呆れたように振り返る。「請負先」とは男性の勤務先のことだろう。無茶な生産量を下請けに丸投げしていたと見える。しかも
「私自身、みなし管理職として違法な立場に置かれたことから月140時間以上の残業代も出ず、それでも、請負元からの無茶振りはなくなることはなく、異を唱えようものなら『言うことを聞かないからこの人を代えてくれ』と言われて、当時の会社はそれに右ならえです」
会社は守ってくれないどころか、いわゆる名ばかり管理職で残業代も支払われない過重労働。いくら働いても報われないと絶望してもおかしくない。そんな状況で男性は
「新人はおろか、私自身もほとほと呆れてしまい、退職しました」
と会社を見限ったことを書いていた。
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