2024年09月10日 14:31 ITmedia NEWS
米Appleは9月9日(現地時間)、「iPhone 16/16 Plus」と「iPhone 16 Pro/16 Pro Max」を発表した。イベントでシリーズ共通の新機能として紹介された目玉機能の1つが「カメラコントロール」だ。カメラ操作を便利にして、さらにAI支援機能でも活用するボタンとなっている。
画面に向かって右側面、電源ボタンのちょっと下にタッチセンサーを内蔵したボタンを新たに用意した。iPhoneを横位置で構えると、シャッターボタンにちょうど良い場所になる。
このボタンを押すと即座にカメラが起動し、もう一度クリックするだけで撮影できるため、撮影したいシーンを逃さない。しかも感圧センサーと触覚フィードバックにより、カメラのメカニカルシャッターを押したような感覚を再現した。なお、長押しするとビデオ撮影になる。
ボタンには小型の静電容量センサーも備えていて、押す操作の強弱や、指をスライドさせるといった操作も判別できる。例えばカメラを起動した後、軽くボタンを押すとUIから多くの要素を消してシンプルなプレビュー画面となる。
さらに軽いクリックで画面上部にズームなどのコントロールUIをオーバーレイ表示。ボタン上で指をスライドさせると倍率を変えられる。
軽く2回押すと、コントロールする項目の選択メニューが表示される。ここでズーム倍率、F値、露出、カラー調整などのアイコンを選択すると、指のスライドで調整できる。
これまで、カメラの各種調整はアプリ画面上で操作していたが、撮影中にスマホのUIに戻るのは煩雑だった。直感的な操作で各種調整が行えるカメラコントロールボタンの搭載は、カメラを多用するユーザーにメリットが多そうだ。
●ボタンを押して“AIの目”に
そしてもう一つ。カメラコントロールボタンは、生成AIを使ったユーザー支援機能「Apple Intelligence」で視覚情報を利用する際にも使用する。
例えば街を歩いていて、気になる飲食店を見つけた時──カメラコントロールボタンを長押ししてお店にカメラを向けると、営業時間や評価の他、メニューの確認、予約方法などを即座に表示してくれる。
気になるイベントのポスターを見つけたら、同様にカメラを向けてクリックするとカレンダーに予定として追加される。イベント名や開催日時、場所といった情報も自動的に入力される。
他にも、かわいい犬を見つけて犬種を知りたいときもカメラを向けるだけ。Appleは「この機能で利用するのは、オンデバイスのインテリジェンスとAppleサービスのため、画像は一切保存されず、プライバシーを守ります」としている。
サードパーティーのサービスにもアクセスできる。例えば、欲しいと思っていた自転車を街角で見つけた時、Googleでどこで売っているか調べられる。分からない言葉についてChatGPTに質問するといったことも可能になるという。
Appleでは、年内にApple Intelligenceに関する機能をカメラコントロールに追加するとしている。ただし、Apple Intelligence自体の日本語対応は2025年を予定しているため、日本のユーザーが活用できるのは来年になりそうだ。